「ナツメ、超能力者なんだよね?スプーン曲げとか出来る?」

「あぁ。念視も得意だ」

「へぇー!やっぱエスパー使い!ポケモンがエスパーならトレーナーもエスパーときたもんだ。さっすが〜」

「何だ、お前も超能力者になりたいのか?」

「え?あぁ、だいじょーぶ!



 私出来るし」

「は、」

「何も乗っていない手の平に〜指をパチンッて鳴らして視界を遮れば……―――ほら、こんな所に美味しそうなモモンの実が!」

「…それは手品じゃないのか?」

「ふふん、驚くのはまだ早いのさ。私だってスプーンを曲げれるし。ほら、」




グゥゥゥゥネェェェェ




「念力でポルターガイスト起こせるし」




ドサドサドサドサドサッ




「念視も出来るし」




ヒュワァァァァァァン








「………………」

「この世界って何でも有りだから良いよねー。常識を覆す事が可能なんだから!」

「お前自身の常識が尋常じゃない!」

「あっはっは、そんなまさか!私はただのちょっと念力が出来る一般ピーポーニートなのにー」

「アレだけ異常な念力使える一般ピーポーがいるかッ!それとニート言うな!空しくなる!」

「あっはっは☆」







無垢な笑顔でする事がハンパねぇから末恐ろしい



―――――――――
――――――
――――
――












盲目の聖蝶姫



彼女は、シンオウ及びホウエンのトップコーディネーター






「私もテレビ中継で何度か見たけど、アレはど素人の私でさえ魅了されちゃうくらい凄いモンだったわ。技の一つ一つに意味があって、その技の性質や威力、構成を組み合わせての素晴らしいパフォーマンスは目を離せない、てどっかの解説者は言っていた様な…それに演技は勿論、あの子が従えるポケモンがポケモンなのよ!そんじょそこらのポケモンとは比べ様の無い綺麗なポケモンで…全てが所謂色違いってヤツなのさ。それだけでも凄いのに、妙に神秘的なモンだからそりゃもう目はそっちいっちまうわよ。当本人も、ポケモン達自身もすっごく綺麗で神秘的で魅力的なんだから」











盲目の聖蝶姫



彼女は、シンオウリーグで殿堂入りを果たした一人







「アンタ達、今のチャンピオンが誰だかはもう知っているよね?彼女とあの子は所謂ライバル同士だったのさ。当時リーグ大会とグランドフェ…なんだったっけ?まぁアレさ、コンテスト大会が同日に行われて、シロナさんがリーグ大会、あの子がコンテスト大会に出たのさ。結果は勿論優勝。あの時は凄かったわよ〜ライバル同士が大会の頂点になったんだから。それから…確かシロナが主催の一日だけのリーグ大会であの子とバトルしたのさ。アレもアレで凄かったわよ〜!今度見るといいさ。結果はあの子が勝ったんだ。んで、殿堂入りを果たした。でも普通ならチャンピオンになる筈だろ?あの子、それを断ったのさ。まぁチャンピオン職なんてまだ未成年で旅がしたいのも考えりゃ分からなくもないけどね。つまりあの子は一日だけのチャンピオンになったのさ。それでも普通に凄いんだけどね」











盲目の聖蝶姫



彼女は、ホウエン地方のチャンピオン






「特設リーグ大会が落ち着いて暫く経った頃、私が稽古を終えて昼ドラ見ようとしてテレビ付けたら、もうびっくりしたのさ!シンオウにいる筈だったあの子がいつの間にかホウエンで、しかもチャンピオンになっちゃってんだから!多分私がニュースを見逃していたのもあるかも知れないけどさ、詳しく聞きゃあそれこそたまげたわさ!二週間でバッチゲットして滑り込みでリーグ大会に出て優勝!ありゃ普通は出来ないさ。普通は。……あ、そういえばゴウキ、アンタは二週間で二つの地方のバッチゲットしていたのよね。ギネスに挑戦してきなさいな。絶対に乗るわよ?……あらあらごめんごめん、話が逸れたね。……で、あの子は知っての通りチャンピオンになった。理由は多分シロナさんがチャンピオンだからじゃない?まーあの子がホウエンに行ったら行ったで凄いモンだったよ。何か、ゴタゴタだったリーグを一から立て直した、とかなんだか…詳しい話は知らないけど、あの子は頑張ってくれたさ。一年間だったかいね?チャンピオン勤めたの。……あぁ、そういえばホウエンのコンテスト部門それぞれ制覇して、コンテストマスターにもなったってのも聞いたわ。いやー、若いっていいわ〜私も後十歳若かったら負けなかったのに!」











盲目の聖蝶姫



彼女は、最年少のポケモンマスター







「これには色んな人が喜んでいたわ〜。門下生の皆なんてドンチャン騒ぎで困ったものさ!でもそれだけあの子は頑張ってきたんだよ。確かあの子がポケモンマスターになれたのは…シンオウとホウエンのそれぞれリーグやコンテストやバッチを制覇して、全国図鑑っての?を完成したらしいじゃないかい。ポケモンマスターにどうやってなれるかは知らないけどさ、凄い事さ。あの子は私達の誇さ。あの子は私達に夢と希望を与えてくれたのさ。まー私が言ってもしょうがないんだけどね〜」











盲目の聖蝶姫



彼女は、チャンピオンを辞退した







「やるだけの事はやった、ポケモンマスターになれた。それにあの子まだ未成年だろ?ポケモンマスターになってもまだまだ未来があるからねぇ。話に聞けばどうやらこっちに戻る為らしいのさ。嬉しい話じゃないか。あの子の突然の辞退にはびっくりしたけどね〜。ま、何がともあれよく頑張ってくれたよ、あの子は」











盲目の聖蝶姫



彼女は全ての引き継ぎを終えた後、行方不明になる







「これにはもうびっくりしたわよ。だって行方不明なんだから!しかも誰もが知っている、あの聖蝶姫なんだからね!レン、ここら辺はアンタも知っているだろ?リーグや警察は彼女を捜したけど、彼女は結局誰も見つからなかった。そう、誰も。門下生に色々聞いたわよ、事件性も何もないから何故消えたのか分からないって。――……それから暫く経った頃、」











盲目の聖蝶姫



人々は彼女を、忘れてしまった







「今まで忘れていたのに、フッて思い出したのさ。あぁ、彼女は今何をしているんだろうって。それから徐々に記憶が蘇って、愕然としたわ。何で私達は、あの子を忘れていたのかって。次の日にはあの子を捜索を再会したってらしいのさ。………おかしな話さ、私は今まであの子の事を忘れていた。完璧に、ね。……思い出したのは、今から半年かしらねぇ…回りの皆、顔には出さないけどあの子を心配している。協会も動き出したって聞くし、とすればシロナさんもホウエンのチャンピオンも動いているって事だね。何で今更になって思い出したのかは分らないけど―――でも良かった、あの子が無事で、レンの嫁さんになってくれるんだからねぇ!」










盲目の聖蝶姫



彼女は……―――――





「――…でもおっかしいわねぇ〜、アンタ達の話じゃこの子は17なんだろう?あの子も消える前は17?18?だったかしら?誕生日迎える前だったかしら?………まぁいい。もう六年も経てばあの子はレン、アンタと同じ23さ。……………そう考えると、ええぇええええ…私の見間違いかねぇ。でも、この子とあの子…ハッキリ言って、似過ぎているんもんねぇ。きっとリーグはこの子を見つけたら、大騒ぎになるだろうね。何せあの子はポケモンマスターでリーグチャンピオンだったし、超有名人なんだからさ」










カチリ、カチリ

少しずつ、パズルのピースは埋まっていく

複雑で、難しい、パズル

このパズルを組み合わせた日に

謎が、解明されていく








「――――……アンタ達、この子が何者かはアレだけど、シンオウに来たなら真っ先にこの家に連れて来た方がいいわ。レンの嫁さんと会いたいのも本音だけど、…氾濫が、起きるわよ」












盲目の聖蝶姫

聖燐の舞姫



聖蝶姫の名前は、ミリ

舞姫の名前も、ミリ




二人はオレンジ

二人は蝶

二人は太陽

二人は…――――――




















「え?将来の夢?」

「やはり舞姫はポケモンマスターなのか?」

「勿論です!この子達と一緒になりますよ〜」

「ミリさんならすぐにでもなれそうだ。応援している、頑張れ」

「俺も舞姫の夢を応援している。頑張るんだぞ、道は長いが諦めなければ夢は叶う」

「はい!」

「ミリ、俺も応援すっから。むしろお前の隣りで見続けてやるからな。一緒に頑張ろうぜ」

「ありがとう。私、頑張るね」




ありがとう―――――…













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