「しかしよく似ているなぁ…双子ってこんなにも似るものなんだな。流石は一卵性双生児、瞳の色と髪の毛の長さ以外は殆どコピーだな。ミリ姫に見せてやりたいぜ」

「まさかレンが双子だったなんてね…しかも弟。一人っ子かとずっと思っていたからびっくりだよ……にしても、ナズナさん、何処となしにガイルさんという方に向けて黒いモノを送っているんだけど……何があったというんだ」

「(まさかナズナをあの状態にさせた張本人達って言ったら笑えた話じゃないからね……困った話だ)」








一体、どうなってしまうのだろう





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ハードマウンテン変死体

それは5年前に死亡したレンとゼルの両親―――アルフォンス=イルミールとユリ=イルミールの悲しき事件

この事件は勿論誰もが記憶している悲しい事件だった






「この事件は現場の状況があまりにも不安定で証拠不十分だった為、解決する事もなく事件として処理されてしまった事件。しかし、この事件には裏があった。裏があって、聖蝶姫が絡んでいた」






でなければ、『彼岸花』に辿り着ける事が出来なかっただろう






「アルフォンス=イルミールは【歩く情報屋】としての異名を持つ。アルフォンスは独自に『彼岸花』の事を調べ上げ、聖蝶姫が行方不明になった原因が『彼岸花』が絡んでいると確信した。形見の日記に…そう比喩した文面が残されていたのだからな」






一日の記録を簡単に記した日記に、直接的な文面は掛かれてなかったにしろ、確実にアルフォンスの日記は奴等との関連性を証明するもので

またナズナという当事者がいなかったら、それこそ気付ける者はいなかっただろう。それだけ『彼岸花』は人々に忘れられ、誰もがその存在が壊滅されたと確信していたのだから






「どういう経緯に至ったかは分からない。ミオシティで目撃された姿を最後に、二人は殺されてしまった。証拠はあるかと言われたら、ハッキリ言ってしまえば"無し"。だが、アポロという残党に白皇が聞いたらそれらしい証言を得た―――少なくてもこの事件の裏に奴等が絡んだのは間違いないだろう。…殺害方法なんて、今回の件で確証したと言ってもいい。二人は野生のポケモンに襲われた…操られたポケモン達にな」






奴等の本拠地を見つけ出し、妻であり元エリートトレーナーだったユリと共に、聖蝶姫を救いに向かった二人の末路

凶暴のポケモン達による終わらない連鎖の攻撃。最初は戦ってきただろう彼等にも限界が訪れ―――嗚呼、口に出すのも憚れる。もし、ダイゴとシロナとゲンがあのまま戦い続けていたら、一体どんな結末を辿ってしまっていたのだろうか…







「では、次だ。元々、何故アルフォンスが『彼岸花』の事を調べ始めたかだ。『彼岸花』は当時既に忘れられた組織…―――いくら【歩く情報屋】と呼び名高い者でも、原因が無ければ再度調べ上げる事などするわけがない








しかし、原因があった。原因があったからこそ、アルフォンスは独自に調べ上げる事をした――――全ては、そう、聖蝶姫の為に。聖蝶姫を救いたい一心で、アルフォンスは誰にも言わず誰にも言えずに奴等と戦っていたんだ」








――――聖蝶姫の身に起こった忌々しい悲しき事件をキッカケに、彼女の為に調べ始めた茨の道

世間が聖蝶姫の存在を忘れ、忘却され、孤立していく中で聖蝶姫の無事を信じ、またあの笑顔を見る為に

勿論リーグ関係者として脅威となる奴等の存在を見過ごすわけにはいかない。アルフォンスは情報監理部部長として、友人として、闇の中に潜む敵と戦い続け―――帰らぬ人と、なってしまう


嗚呼、奴等をけして許すわけにはいかない










「それは―――まだ聖蝶姫がチャンピオンに君臨していた時だった」







聖蝶姫が闇に葬った、真実


この真実がなかったら全てが始まらない、逃れられない闇の中








「仕事の休憩時間を使って休んでいた聖蝶姫を狙って――――複数の人間に暴行され、強姦紛いの事をされたのが始まりだった」

「「「「「!!!!???」」」」」

「―――!!??」








殆どの者達が驚愕した表情を浮かばせ


ゼルもゴウキの言葉に驚きの表情を浮かべた
















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