「―――おいなんだよこれは。ミリの氷像変わりすぎじゃねーか。店内も花だらけだろどうしてこうなってんだよ」

「フッ…先程の会場があまりにもお粗末だったもんでな、俺が直々に手を加えてやったまで。どうだレンガルス、あの御方の歓迎会となれば特別豪勢にしてこそのパーティーじゃねーか」

「だからあの御方って誰だよ宗教電波野郎」

「あの御方はミリ様に決まってんだろ。そんな事も分からねぇのかよ馬鹿だろ」

「……あ゛ァ?」

「あ゛?」

「……………、ハッ!ゼルジース、お前は何も分かっちゃいねーな。ただ派手にしたところでアイツが喜ぶと思ってんのか?むしろこんな会場、アイツが見たら確実に引くぜ?」

「(ピキィッ)フッ、これだから愚弟は困る。お前は少しは貴族の嗜みを教養した方がいいんじゃないか?」

「(ピキィッ)何が貴族の嗜みをだ貴族振りやがって。似合わない事言うんじゃねぇよ愚兄野郎。耳と目に痛いぜ恥ずかしい」

「……なんだと……」

「……やんのか……」





「「―――表に出やが「お二方、此処でまた乱闘を起こしましたら容赦無く外へ放り投げる事をご承知下さい」

「「「「(意外に容赦無い…!)」」」」










結局乱闘騒ぎは免れました




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―――――
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カツラとマツバはカントーとジョウトのジムリーダー。集会で顔見知りだった為、初対面のアスランやゲンの二人に簡単に紹介し合い

この場では初対面となるミナキを交え、互いに簡単な挨拶を終わらせた



こんな時間になっても真っ先に協力をしてくれた彼等の存在がとても有り難かった。ナズナ側の人間だとしても、元々はミリの為に動いていた事には変わりはない。皆はカツラ達を歓迎した






『―――何故だろう、レンが二人いる様に見えるのは私の気のせいか…?』

『いや…気のせいじゃないよ僕にも見える。レンが二人……ドッペルゲンガーか何かかな?あ、でもそれだとレンは死んでしまうね』

『それかレンに化けたメタモンじゃないか?』

『へぇ、よく出来ているね。ミリちゃんが見たら笑いそうだよ。大爆笑だね』

「「「(ちょっと待ってくれ今この状況でそれは言わないでくれぇぇぇぇ)」」」






こちら側の状況を知らない二人は、本人達が何も言わないのをいい事に、レンと同じ顔をしているゼルの存在をあーでもないこーでもないと頭を傾げてこちらを眺めている

対するこちらは相手が相手な為、内心ヒヤヒヤあわあわと色んな意味で冷や汗が、口から何かが出てしまいたくなる気持ちだった。レンは舌打ちを、ゼルは呆れた様子で映像を見上げていた






『確かによく似ている―――ナズナ、この人達が…想定外の人達で間違いないのか?』

「………あぁ」

「お初にお目にかかります。私はガイル、この御方はゼルジース様。―――我々はリーグ協会本部から参りました。そしてこの御方こそリーグ支部を取り仕切る総監であらせられます」

『『!!!!!!』』

『総監!?―――これは、大変失礼しました。…しかし、総監自ら来て下さるとはとても心強い。説明を終わらせた後、私達カントーとジョウトは貴方の指示に従います』

「フッ……そちらのリーダーは理解が早くて助かるぜ」






総監、と聞いて三人は大いに驚いただろう。無理もない、こちらの皆も驚き過ぎて言葉を失ったくらいだ。マツバとミナキの表情は驚愕の色を浮かばせるが―――やがて視線は好奇なモノに変わり、興味津々にマジマジとゼルの姿を覗き込んでいた

カツラも最初は驚いていたが、やはり年輩者。すぐに冷静を取り戻し、大人の対応でもありジムリーダーの対応をしたカツラにゼルは関心した様子でクツリと喉の奥で笑う



不意にカツラのサングラスがキラリと反射された







『―――それと、彼はレンの…』

「ご察しの通りです。ゼルジース様とレンガルス様は双子の関係で間違い御座いません」

『――――、そうですか』







――――サングラスの奥に、鋭い眼光が光った気がした








『この件はまた保留にさせてもらいましょう。……機会がありましたら、色々お話を聞かせて頂きたいところです』

「まずは目の前の事を片付けてからだ。話はそれからにしてくれ」

「「「…………」」」

『……それでは早速本題に行きましょう。ナズナ、頼んだ』

「あぁ………。それでは皆さん、まず俺達が此処最近起こしていた行動について解説しましょう」











確かに予定外の人達だ



カツラは心の中で悪態をついたのだった











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