ガイルの行動に一瞬だけ躊躇する三人だったが、弾かれた様に喫茶店の中へ入った







煌々と輝く店内、心地よく流れるクラシックメロディー。先程よりも豪華で華やかになった店内に、一際美しく彫刻されたミリを象った氷像

しかし彼等はそんなモノには目をくれず―――早足で奥の部屋にあるバトルフィールドに足を運ばす








喫茶店内とバトルフィールドを仕切る重たい扉を乱暴に開き、足を踏み入れる

そこには、先程別れたジムリーダー達やチャンピオン達に幹部長達全員が集合していた

彼等は皆、フィールドを見ていた

フィールドを見て―――硬直していた









「―――おい、アスラン」

「!………ッ!?君達…戻ってきていたんだね」

「一体、何があったというんだ」

「彼は、何処に…」

「それは……」

「…フィールドを見れば全てが分かりますよ」







近くにいたアスランにレンは声を掛け、隣にいたジンが眼前のフィールドを見る様に促す

三人は言われたままにフィールドを見て―――眼前の光景に、目を大きく見開いた









こちら側のフィールドに立ち、先程まで戦っていたのはエレキブルとブーバーン

二匹は無惨にもフィールドの地面に埋もれ、全くピクリとも動こうとはしなかった



二匹の手持ちの持ち主は―――デンジとオーバ


デンジは肩で息をしながら眼前の光景を呆然と眺め、オーバは燃え尽きてしまった様でピクリともしなかった。二人の様子を見れば、この戦いは壮絶なモノだったと一目見ただけでも十分で






エレキブルとブーバーンに対峙していたのは、この地方では見掛けないポケモン―――キリキザン

主にイッシュ地方で生存が確認されている、鋭い刃を身体に纏わせたキリキザンは無惨に地面に伏せている二匹に目もくれずにただ静かに佇んでいた


キリキザン一匹だけで、あのエレキブルとブーバーンを倒したとでも言うのだろうか






そして―――













「――――なんだ、随分と遅かったじゃねーか。てっきり、尻尾巻いて逃げたのかと思っていたぜ」








対戦相手が立つ、フィールドには一人と一匹の存在が


サーナイトを後ろに控えさせる、白銀色の髪をした青年が一人

サラリと垂れる白銀色の髪に、カシミヤブルーの瞳。バサリと靡かす黒いコートにはビルマ・サファイヤの宝石がキラリと輝かす


彼は、レンと同じ顔でニヒル笑う











「よう、久し振りだな…レンガルス=イルミール







ハッ!相変わらず、同じ顔で笑いたくなるぜ。そりゃ間違われても仕方がねぇか」


「―――ゼルジース!!!!」













聖地にて別れを余儀なくされた双子は、

やっと、再会を果たしたのだった














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