サバイバルエリアの喫茶店を出て少しはなれた場所でナズナとゴウキとレンは、別れた後の話をしていた





ナズナからは―――無事にナナカマド博士に事の事情を説明し、協力を要請。すぐにでもリーグと問い合わせて民間人達を保護し、厳戒態勢を取る方向性にしてくれるという

ゴウキからは―――警察の方に自分達が調べあげた情報を提供し、協力を要請。博士達からの要請があれば警察も厳戒態勢に入る事になるし、警察はリーグの指示を仰ぐ旨を伝えた

レンからは―――ナズナと別れ、ダイゴ達と合流し、その後の経緯を話した。リゾートエリアの別荘に行くも半壊、ダイゴ達を救出しゲンを筆頭にミリを救い出しに行くも途中で波動が消え、消息不明に。最後の波動を感じた場所に行くもそこは荒れ果てた状態になっていた事を



そして―――――









「な、ん…だと………!?」








ナズナの隻眼は見開かれ、その銀灰色の瞳は驚愕の色に染まる




ナズナはあるモノを見ていた

差し出したレンの手の平に収まるソレ




―――今となったら黒くなってしまった、元はオレンジ色をした腕輪


ソレは真っ二つに、綺麗に割れていた









「……先詠みでは、その腕輪の事は視えなかった。気付いたら二人の手首にあったから…プライベートの話にもなる、気にも止めなかった。しかし、まさか、そんな…………」

「…………」

「……お前なら視ていたはずだ。コガネの公園でミリに起こった事件を。あの時、コレに…ヒビが割れた。光も弱々しく、まるで命の灯が消えてしまうんじゃないかってな」

「ッ……」

「現にミリが目を覚ましたら嘘の様に割れた傷が元の状態に戻った。………実際に俺がこの目で見てきた現象だ、ゲンの波動の意味も……間違っていない」

「「………」」







でなければ、波動がどうこう言われたところで信憑性は薄い

それこそ自分の目で確かめてこそ、自分の中で納得が出来、確信が生まれるというもの

だからこそ――――レンは、知ってしまった


ミリの身の、危険を

その、命を








「だからといって、俺はミリが死んだ事を認めるつもりはない」

「「………」」

「きっと、別の原因が起こってコレも、波動も感じなくなったに違いない。…俺達の常識を超えた現象が、起きている事も踏まえて、俺はアイツの無事を信じている。ミリは生きている、絶対にな」

「「………」」








手にしていた腕輪を優しく握り

片方の手はギリリと憎みを込めて強く握る



腕輪を見下ろすまなざしは、ミリを浮かべるが

奥に潜めるピジョンブラッドの瞳は―――憎悪の色に染まっていて









「その為にも―――アイツらを、絶対ぶっ飛ばす。どんな事を、してでもな」














「レン――――…」


























「………」

「……説明が終わり次第、俺は奴等の本拠地を見つけ出す」

「見つけ出したらすぐに伝えろ。……俺が直々に奴等をぶっ飛ばしに行く」

「麗皇、今だからこそ言っておく。…親の敵を取りたい気持ちは分かる。だが、けして判断を誤ってくれるなよ。………ミリさんを、悲しませる事がないようにな」

「ハッ、そんな事…言われなくても分かっている」

「「…………」」













歪んだピジョンブラッドの瞳、憎しみが募るばかり






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