ポケモンが何者かに操られ、被害が及ぶ事件はこのシンオウに何件か存在した。その事件は、この地方に潜む悪党集団だったりニャースを連れたロケット団の残党だったりと様々に。しかしその事件はすぐに解決してくれた。ピカチュウを連れた、勇猛果敢で正義感溢れる少年少女の活躍のお陰で どの事件もポケモンを操るといったものだったが、必ず弱点というものがあり、弱点を突かれると呆気なく崩壊した。皮肉にも機能としたら不完全だった為に、そのお陰で少年少女達の活躍でも解決出来たと言ってもいいだろう。でなければ、何をしでかすか分からない悪党集団相手に少年少女が敵う相手ではない ―――しかし、今回は違った 新たな脅威になった、14年前に捕まったはずの悪党集団『彼岸花』 奴等は盲目の聖蝶姫であり、ポケモンマスターであるミリを狙った。ロケット団という残党を引き入れて。何故、奴等がミリを狙ったその真相は謎のまま 奴等は巧妙で理解出来ないやり方でポケモンを巧みに操り、意のままにしていた 奴等は、脅威だ 今回の事件をきっかけで、始めて警察は『彼岸花』の存在を認識した。さぞ警察は大いに驚いたに違いない。こんな脅威を自分達は見過ごし、見落としていただなんて 「事情は分かりました。すぐにでもリーグと連携して対策室を立てます。ゴウキさん、貴方はウチとリーグの仲介役としてお願いしたい」 「勿論、引き受けよう」 「しかし、ゴウキ……そういうのはもっと早く言ってくれないと。こちらにも立場があるのだから」 「すまない。事情が事情だった為、言えずにいた。……それに言ったところで信じてくれるとは思わなかったからな」 「誰も貴方の言葉を信用しない人はいませんよ…」 鑑識が現場を調べ、結果を刑事が聞き入れ犯人の目星を上げる。現在も終わりの見えない調査をしている最中での会話 ゴウキと会話をするのは、ゴウキから連絡を受け至急集まった警察関係者 巡査、巡査部長、刑事―――中には刑事部長の地位にいる人間もいた 「所詮、警察は事件が起きてからやっと動ける……むしろゴウキが事前に動いてくれた事に評価しようではないか」 「部長、」 「ゴウキ、お前が調べてきた情報をこっちに回せ。すぐにでも動こう」 「すまない、助かる」 「師範長、リーグとしたらどう動くかは…」 「いや、具体的な話はまだだ。話が纏まったらすぐにでも一報を入れる」 「あぁ、分かった。従おう」 警察とリーグは対等の立場だ ポケモンからの被害を守るのはリーグだとしたら、人間の犯罪を裁くのが警察だ。勿論、事件関係はしっかり警察の仕事に入る しかし今回の事件は一筋縄ではいかないのは口に出さなくても理解していた 警察はリーグの指示で動く 今回ばかりは、そういう連携をとるしか方法はない 「―――――…」 「…ゴウキ、平気か?」 「あぁ…平気だ。気にするな」 「……話は聞きました。聖蝶姫とは縁があると。さぞ今心配で仕方ないでしょうに…」 「最初に言っておくが、俺はこの件を降りるつもりはない。舞姫を見つけ出し、真相を暴く、そして……セキの敵を取る」 「!!…セキとこの件は関係があるのか?」 「少なくとも俺はそう考える」 「……事実関係を含めて再度調べよう。セキの敵を取る為にも、気の抜けない戦いになる事を覚悟しておけ」 「「「「はい!」」」 「お前達がどういう経緯で彼等の事を調べ始めたかは敢えて聞きませんが―――彼等はお前達が手を組み、調べを進め始めたその日から、お前達の存在を知っていたそうですよ。だからこそ彼等は怪電波を敢えて発動させ、お前達に存在を認知させたのです。お前達に気付かれてもあちらには何の支障も無い…むしろ随分と楽しまれていたみたいですよ?お前達がどこまで自分達の存在に気付くかと、ね…」 「お前達の事を随分と評価していましたよ。長年ひっそり活動していた我々の存在に唯一気付けたのだから、と。…特にナズナ様、貴方には大層気に入られていましたよ。貴方が居なければきっと気付かなかっただろう、とね」 「彼等の存在は愚か、アジトさえもお前達は見つけ出す事が出来ない。…どんなに電波を探っても、どれだけの力を駆使しても、ね。所詮は無駄な足掻きなんですよ。お前達は何も、見えやしない」 「(絶対、真相を暴いてみせる)」 ミリの行方 六年前行方不明なった原因 セキの死の真相 アルフォンスとユリの、本当の真相 全て、『彼岸花』が繋がっているのは間違いない 「―――ゴウキさん!」 「―――ゴウキ君、」 「―――ゴウキ君!」 「―――師範長!」 脳裏に過ぎる、四人の笑顔 彼等の為にも自分の為にも ゴウキはひたすらに真実を求める → |