一つの物語が終わった ――走馬灯の様に輝く思い出 また一つの物語が始まった ――今度は自分達が切り開いていく 期待に溢れる、光輝く未来へ ――共に歩んでいこう そうして繰り返される終わりなきストーリー 沢山の仲間が出来た 新しい居場所も出来た 幸せだった、嬉しかった だから、守ってみせると決めた 守ると覚悟を決めたからには、どんな事をしてでも大切なモノを守りきってみせる たとえ冷酷と言われ、非道と言われ 心を隠し、仮面を被り、 自身の手を下す結果になってしまったとしても 皆が幸せなら、それでいい 「――――――…突然ですがお前に新しい任務を与えたいのですがよろしいですね。当然ですが答えは聞いてないのでそこのとこどうぞよろしく。そんなわけでこちらが新しい任務の内容です」 「本当に突然過ぎますよなんですか藪から棒に。貴方本当随分偉そうになりましたよね。まあ今更でしょうがね」 「ええ、今更ですね」 「本当に今更でしたね。…しかし、本当に突然ですね、ここ最近姿を見ないと思ったら。その様子だと、なにやら重要そうな任務になりそうですね」 「これからお前に与える任務は、極秘任務です。お前はこれから、少人数のチームリーダーとしてとある地方に向かってもらいたい。何故、これが極秘任務なのかは後々、理解するでしょう ―――…その地方は、ホウエン地方」 新たに始まる物語と同時に、 不穏な影も、動き出す 「――――…この世の中、このご時世。完璧な人間はいないと思っていたが、なるほどなるほど。盲目の聖蝶姫…ホウエン地方の最年少チャンピオン、神秘的なポケモンを従わす絶対無敵で絶対の存在―――…愉快愉快、実に愉快だ。このような人間ほど、緊張の糸を切ってしまえばどのように脆く、崩れてしまうのだろうか ―――…実に、興味深い」 不穏な影は蠢く 一つは蝶の向かう道にある存在を確かめる為に 一つは歪んだ笑みを浮かべ欲望のままにて光を狙う 蝶はまだ何も、気付かない 今はまだ、束の間の幸せを噛みしめて 未来を見据え、交わした約束と共に 何も見えない視界の先に、光を求める 「絶対に、守ってみせる」 無くしたものは、そのままに 振り返らず、前に進む そのまま次の扉を開こう 次の扉の先には、何がある? 開かれていた扉がゆっくりと閉じられて、新たな扉がゆっくりと開かれた―― 喩え其れが夢だとしても 夢でも確かに蝶は存在していた 第四章 完 |