今日も穏やかな風が木々を揺らしている。空を照らす太陽は相変わらず眩しく、光に照らされる空は晴天だ。空を自由に飛び回るポッポの群れが空を翔け、草むらや森の中で楽しそうにポケモンが戯れている

洗濯物日和なのはこの天候の事をいう。晴天の下、町外れの一軒家にある二階のベランダでは、リズミカル良く布団を叩く音が響き渡っている。白い布団が二つに、物干し竿には服やタオルが風に揺られて靡いている。パン!とまた良い音が響き渡り―――叩く音を止めて、一人の女は一息をついた





「ふぅ……」





こんなものかな?そう言いながら手にした叩き棒を置き、晴天な空を仰ぐ。桃色のエプロンを常備に長袖をたくしあげ、長い漆黒の髪を後ろに縛っている女を見る限り、この家の主だろうか

洗濯物を全て干し終えた様なのか、暫く外の清々しい空気を堪能した後、置いてあった洗濯籠と叩き棒を持ち部屋の中に戻っている。自室に戻り、家の階段を降りてリビングの中に入る。以前の殺風景なリビングだったが、随分と家らしい家になってくれた。観葉植物が太陽の光を受けて喜んでいる様にも見える。その観葉植物を楽しそうに眺めている紅色のセレビィに、少し離れたソファーには太陽光に当てられ眠りの足に突っ込んでいるミュウツーがウトウトと目を細めている。緑色をしたミュウツーの後ろ、ソファーを背に水色のスイクンが座って日光に当たっていて、微笑ましい光景に女はクスリと頬を緩ませる





《〜♪》
《…ふわ(欠伸)》
「…」

「時杜、蒼華、刹那。おやつにしよっか」

《はーい!》
《眠い…けどおやつ…》
「…」

「可愛いなぁ」






フワリと淡い光りを零しながら宙に浮き嬉しそうに手を上げるセレビィ、時杜に眠くても食欲を優先したいミュウツー、刹那と海色のたてがみを靡かせて視線をこちらに向けるスイクン、蒼華

女はそれぞれ三匹に一撫でし、視線を庭先へと向ける

広い庭先では二匹のイーブイが仲良く追いかけっこをして遊んでいた。そのイーブイは白と黒の色をした対照的なイーブイで、黒いイーブイが白いイーブイに飛び掛かって短い腕でタッチをしたら逆方向に駆け出し、タッチをされた白いイーブイは負けじと黒いイーブイの後を追っかける

とても微笑ましい光景だ

女は窓を開け、追いかけっこをしている二匹に声を掛けた





「はーくあーちゃーんにこーくれーんちゃーん!」






そう女が呼べば、楽しく追いかけっこしていた二匹が同時にピタリと動きを止め、ピョコンと耳を立て家に視線を向ける

白いイーブイは白亜、黒いイーブイは黒恋

視界に女が入れば、二匹の白と黒の尻尾が嬉しそうに揺れ始める。浮かぶ表情もみるみる内に笑顔になっていき、二匹は同時に駆け出す。目指すは女の胸の中―――同じ顔同じスピードで、庭から出て腕を広げて待つ自分の主であるミリの胸に、嬉しそうに飛び付いた






「おやつにしましょうか!」

「「ブイブイ!」」


















皆さん、お久し振りです






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