どうでしたか?

私が用意した記憶の光は

少しでも彼女の事が知ってくれたら幸いです






彼女は愛されていた

愛されていたから人々は彼女を捜す

橙色の蝶を追い求めて






人々は彼女の無事を切に祈る

消えてしまった彼女を思って



―――彼女は今、何処にいる?




――――――――――
―――――――
――――
――










帰ってきたよ

帰ってきたよ


僕らの主が

私達の主が


待っていた

ずっと、待っていた







「―――…初めまして、皆さん



 否、久し振りと言うべきでしょうか」







嗚呼、我が主


会いたかった、会いたかった

また貴女に会いたかった











「キュー」

「…」






紅蓮の時渡りの子

清流の北風の化身



生きていた、生きていた

あの二匹が生きていた




嗚呼、嬉しい

またあの頃に戻れるかもしれない







「ブイブイ!」

「ブイ!」







嗚呼、あのお方達はもしや…


――そうか、無事に生まれたのか



我が主と共にいたあの方の忘れ形見

良かった、良かった

無事に生まれてくれたのか

嗚呼、良かった







「所詮は夢、只の幻

 目が醒めればいつもの日常

 しかし此は夢に在らず

 今宵貴方達の夢を繋げてもらった」






主、我が主

声で分かる。このお方はお強いお方


昔の泣いていた主とは違う

嗚呼、懐かしい、

随分とご立派になられたのだな








「全地方に存在する、此の世界の我が同朋達に伝えよう。我が名はミリ、【異界の万人】の十代目。異空を越え、時空を越え、姿を変えてまた此の地にやってきた」








おかえり、我が主

おかえりなさい、我が主よ



皆は待っていた

ずっと待っていた



貴女が帰って来るのを

貴女が戻って来るのを







「今はまだ、記憶を引き継いでいる最中。貴方達の事を覚えているかは分からない。それにまだ、貴方達と再会する時ではない





その時が来たら再会をしよう。以前の【私】が残したあの聖地にて、光在る場所で貴方達と再会を約束しよう」








嗚呼主、我が主

待っている、待っています

その日が来るのを待っている

貴女との再会を、待っています





遥か昔の同朋と共に

貴女の聖地で、貴女を待っています


















「私がもし死んだとしても―――私は【私】として転生し、新たな身体となって皆と再会を果たしましょう。その時、また皆さんと共に……――――」


















おかえりなさい、おかえりなさい






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