「ポケモン図鑑ですか?」 「そうだ。私の後輩でもある博士からサンプルを貰って、使いやすく改良したものだ」 「へぇ〜、凄いですね」 「君にも是非、図鑑を持って欲しい」 「え、私が?」 「君に、この図鑑を持ってシンオウを、いや、世界を渡って欲しい。君の他にも一人、図鑑を託した者がいるんだが…良いだろうか?」 「はい!私で良ければ喜んで!―――…頑張ろうね、皆」 「…」 「キュー!」 「……!」 それが、始まりだった ―――――――― ――――― ――― ― 「ナナカマド博士、久し振りじゃのう!」 「オーキド、お前も元気そうでなりよりだ。お前の孫、いつも頑張っているぞ」 「それはよかった!これからも孫をよろしく頼みますな」 「こちらこそ」 カントー地方マサラタウン ―――オーキド博士研究所 「初めまして、ナナカマド博士。そちらの活躍振りは耳にしています。お会いできて光栄です!」 「おぉ、君は確かウツギ博士。君の活躍もこっちで耳にしておる。ポケモンの卵なんて君が初めて公表したんだからな」 「いえいえ、僕なんてまだまだですよ。――あ、この方はオダマキ博士です!」 「初めまして、ナナカマド博士。私はオダマキと言います。お互い最北と最南、仲良く出来たら嬉しいです」 「あぁ、君がホウエンを代表とするオダマキ博士か!君の活躍も耳にしている。よろしく」 「はい」 オーキド博士の研究所で、それぞれ地方代表でもある博士等は互いに自己紹介をし、固く握手を交わす 既に研究所に到着していたウツギとオダマキは自己紹介済み。最後に最北地方のナナカマドが到着をし、自己紹介を行って軽く談笑を始める。互いの名前や噂、活躍などは聞いていて、実際にテレビや写真を見ていてもどのような人物かは推し量れない。相手を知るにはまずは会話。案内された部屋のソファーに座り、緑茶を飲みながら小一時間は博士らしくポケモンの講義に話は飛躍していった 「――――そういえばサトシから、そっちの地方の悪の組織が壊滅したっていう話を聞いたんじゃが…」 「あぁ…ギンガ団の迷惑集団か。勿論、サトシ君とシゲルとヒカリ君とシロナ君お蔭でなんとかな」 「何処の地方も組織があって、壊滅してくれるのは若い子ども達。しかも奇遇なのか私達が図鑑を託した若者ばかり………時代は変わってきていますね」 「今回のリーグ集会にもその話を出すみたいですよ。協会側にとっても私達にとっても課題となっていきますし」 「そうじゃのぅ…」 もうじき北東西南のリーグ集会に備えて、情報提供も兼ねて博士同士の会合に――博士同士の交流 その為に、わざわざ遠い地方から足を運んできた博士達(特にオダマキとナナカマド)。オーキドとウツギはともかく、ホウエン復旧作業真っ盛りなはずのオダマキやギンガ団関係で影響を受けたポケモン達の調査など大変なはず しかし得るものは沢山ある。なにせ此所には様々な専門分野を得意とする博士達が揃っているのだから 「――――…さて、そろそろ本題に入る前に、オーキド君とウツギ君に頼みたい事があってな」 「?頼みたい事ですか?」 「何じゃね?」 「あぁ―――彼女の事ですか」 「そうだ。…二人共、ポケモンマスターの『盲目の聖蝶姫』と呼ばれている子を、聞いた事はあるかな?」 ――――盲目の聖蝶姫 突然の、ナナカマドからの切り出し → |