彼女は実は凄い人物だと知った事には、余り時間は要らなかった



まずは彼女はシンオウのトップコーディネータまで登り詰めて、飽き足らず名を欲しいままにチャンピオンの座もゲットしていたらしい。この情報は友になったミオシティのミクリの奴に聞いた話で、彼も彼女みたいに目指していたという。コーディネータでチャンピオンの話に驚きを隠せないまま、ミクリの前だという事を忘れてポケギアで聞いてみれば、彼女は確かにそうだと答えた(ミクリが僕が彼女と知り合いだと知って隣でうるさかった)。彼女の背中を追いつくのにはかなり時間が掛かるかもしれない、と思った事もあった。その後、ミクリのお願いに近い懇願により、彼女とミクリの出会いは叶った







「君があの…!?噂はかねがね聞いている!私の名前はミクリ、ルネシティのミクリだ。私も貴女と同じトップコーディネーターだ!同時に貴女の事も尊敬し、目標とさせて貰っている…!!どうかよろしくお見知りおきを!!」

「ミクリさん、こちらこそよろしくお願いします」

「ダイゴ…!君はいつの間にこんな凄い人と知り合いになっているなんて…!!私は改めて君を羨ましく思う反面、憎たらしいと思うぞ…!!」

「ははは…僕はまさか君がそこまで食いついてくるとは思わなかったよ…」

「フフッ」







それから僕達は親友になった








彼女は良き師であった



今まで知らなかった事を彼女は楽しそうに教えてくれた。バトルでもコンテストでもそれは同じで、年下の癖に、彼女の背中は大きかった(当時僕は二十歳)実際は細くて壊れそうな背中なのに、どうしてそんなに大きいのか不思議だった。勿論恋に関してもそうで、鳥使いの女性に恋していたミクリを押していた姿もあった。あれは面白かった




彼女は良き友だった



副社長の肩書きで上辺だけの友…と呼べるか分からない者達なら沢山いる。けど心を開いて真剣に向き合える友はいなかった。ニュースで彼女とタッグバトルをした時に「最強無敵」と言われた時は鼻が高かったのは秘密だ




そして、僕の愛しい人



好きになったのは随分前、ぶっちゃけると出会ってすぐに。つまりは一目惚れだ。彼女の一つ一つがとても魅了するのには充分で、恋から愛にいつの間にか変わっていた。でもそんな事に気付いたってきっと僕は彼女に想いを打ち明ける事は無いだろう。彼女自身そんな気持ちが無い事は分かっているし、今の関係が一番心地が良かったから。彼女がもし何かを求めてきたら、僕は出来る事なら何でもしてあげるつもりだ。それが僕が彼女に返す恩返しで、僕自身の愛の形なんだと









そして彼女はチャンピオンマントを脱いだ










頃合だと彼女は言った


その時彼女はチャンピオンの他にもやっぱりホウエンのトップコーディネータになっていて、その努力が認められポケモンマスターになっていた。ポケモンマスターになる事が夢だった彼女は、前とは違って凛々しい顔をしていた







「一年間という短い期間だったけど、私は満足している。此処でチャンピオンとしてこの座を守り抜き、トップコーディネーターとしての役目も果たした。念願だったポケモンマスターにもなれた。後はこの座を降りて、次の世代の懸け橋に繋げたい。私は大変満足した。そして、ずっと共に歩んできたこの子達も。私はもう、十分よ―――…」









そしてチャンピオンの座を巡ってリーグ戦が始まった













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