さて、暇が出来たところで

そろそろご紹介しましょうか


この土地で出会った、新たな仲間達を














Jewel.51













リーグ協会ホウエン支部が聳え立つサイユウシティから程近い位置にある小さな離島。そこはホウエン支部幹部長であるアスランが所有している土地でもあり、ミリ達にとって第二の居場所

地図上は所有する本人からの言葉からは小さいと簡単に片付けられてしまうが、例えると某〇京ドームが約五つくらいある結構な広さにあり、殆どが森で埋めつくされている自然豊かな島

その島のとある場所に健在する、豪邸

そこにはミリを含めた彼女の仲間達の姿があった






「はーいみんなー集合〜。そろそろ点呼とるよー。おねーさんのところにおいでー」








花や草木が彩り森が囲む広大な面積を誇る庭先に、オレンジ色のコートを着用し、手にはチャンピオンマントを抱えるミリが大きな声で何かを呼び掛けている

今日もミリの手料理の朝食にお腹を満たし、出勤時刻までの束の間の自由。ミリの出発を待つ仲間達は広い庭の中で思い思いに過ごしていた

ミリの声が風に乗って響き渡れば、木の影や池の中、岩の影等、様々な場所から続々とミリの前に現れるポケモン達

彼等こそが――――…ミリが認め、信頼し、共に道を歩んできた仲間達






「集まったね?それじゃ点呼とるよー。まずは蒼華と時杜と刹那!」

「…」
《はーい!》
《此処にいる》

「よしよし、いるね。それじゃ今から三人には私の目になってもらうよ〜。…―――お、視えた視えた。可愛い子達の集合だね。それじゃ次いくよー。闇夜と朱翔と水姫と風彩!」

《いるぞ》
《マスター、私は此処に》
「ミロー」
「ふりぃ〜」

「うんうん、元気いっぱいでいいね!でも熱中症には気をつけないと。特にシンオウメンバーはね〜」






蒼華と呼ばれたスイクン、時杜と呼ばれたセレビィ、刹那と呼ばれたミュウツー。こちらの三匹は三強でもお馴染みである彼等は今日もミリの隣に並び、彼女の眼の変わりに世界を写す

闇夜と呼ばれたダークライ、朱翔と呼ばれたルカリオ、水姫と呼ばれたミロカロス、風彩と呼ばれたアゲハント。極寒の土地で出会い、ミリと共に苦難を乗り越えてきた彼等。生まれ故郷よりも断然暑い地方に移り住んでも、想像通りに居心地が宜しい様で、今日も元気良く活発に動く

そして――――…







「さぁてお次の子達も元気良く返事をしてね〜。まずは、一人。さっきの歌声、今日も綺麗で素敵だったよ






―――――…炎妃」

「キューン」






炎妃

それは、銀色のキュウコン






「今日も元気に朱翔と闇夜と特訓お疲れ様。でも今日の分の体力をちゃんと残しておかないと後が持たないから気をつけてね






―――――…轟輝」

「ガルルルッ」






轟輝

それは、褐色のバンギラス







「今日もこの島の空の安全は大丈夫だった?君達がいるお陰様でいつも助かっているよ






―――――…愛来、蒼空」

「ミリ様のお役にたてるなら!」
《今日も無事に平和な空だった》







愛来、蒼空

それは、桃色のラティアスと空色のラティオス






「チュリ〜!」

「あらあら、名前呼ぶ前にもう元気いっぱいだね。それじゃ名前を呼ぶからもう一度元気なお返事ちょうだいねー






―――――…桜花」

「チュリチュリー!」







桜花

それは、桜色のチュリネ








彼等はミリ達がシンオウから拠点を移し、ホウエンへやってきた時に

リーグ大会の存在に気付き、急ピッチでジムバッチ取得に励んでいた道中に彼等と出会った。今となれば立派な彼女の一員、様々な支援で彼女を守り、彼女の牙となって相手に立ち塞がる猛威となる








「点呼が終わった次は、今日のメンバー編成ね。今日はリーグで四天王全員とのエキシビジョンマッチをやるのは耳に入っているね?」

《バトルならこの私が!》

「ガァアアアア!」

《落ち着け二人共》

「おお、頼もしいねー。勿論二人には頑張ってもらうからそのつもりでね。それに今日は四天王全員とのバトルだから、全員一緒に行けるよー!」

「ミロー!」
「ふりぃ〜!」
「キューン」
「チュリ〜!」
「全員で一緒!わぁ初めてですね!兄さま、楽しみですね!」
《そうだな》

「うんうん、おねーさんも嬉しいよ〜」

「…」
《良かったね〜》
《私は観戦させてもらおう》

「それじゃまず先に出てもらうのが――――…」







ポケモントレーナーにおいて暗黙の了解の一つ。所持出来るポケモンは六匹までと定められている。よくある腰ベルト等には最高六つまであったりと、公式戦でもその事は大いに関わってくる

しかし、ミリの場合は特別だった

盲目な事もあり、最近流通しだしたパソコンを扱う事は出来ない(そもそもミリは極力パソコンを触る事を拒んでいる)為、好意でアスランが直々に本部にミリの事を申請し、特別に六匹以上のポケモンを所持する特許が許されていた(といっても申請が降りたのはごく最近だが)。流石に"所持する"だけで、バトルに入れば六匹までと制限されてしまうのだが、まあそこはちゃんと本人も理解しているという事で

そんな特許を頂いたところで、あまり関係ないのがぶっちゃけた本音だったりする。何故ならミリは、異次元空間を持っていた。よく見せるマジックの様にボールを出現させているのがいい例だ。人は彼女をマジシャンと言い、ある人は七不思議の一つだと言ったりと、そんな噂の一つにされていたりするが本人全く気付いていない。気付いたとしてもいつもの「あはー」ではぐらかされて終わってしまいそうだ

異次元空間なら、何個所持しようが関係ない。別に所持しているわけではないので(現にミリの腰ベルトには何も付いていない)、手持ちはゼロと言ってもいい。勿論、三強と呼ばれるスイクンとセレビィとミュウツーに限ってはボールが無いので手持ち枠に入っていなかったりする(しかし公式戦とか公のバトルの場合は除く)。だけど、それでもミリが手持ちのポケモンを六匹にして歩くのは、ミリのプライドか、特許に対する後ろめたさか

今回の場合は、今日行われる四天王の試合の為に向けてのパーティ総出で出動。四人ものの屈指の実力者相手に、流石に同じパーティで挑ませるのは至難の業。それに仕事の疲れや日々の鬱憤を皆と一緒に発散させるには、四天王はいい相手だった






「―――…よし、決まりだね」








どうやら話が纏まった様だ






「それじゃ今日は皆にいっぱい活躍してもらうからね!一緒にエキシビジョンマッチ、楽しもうね」

「…」
《はい!》
《あぁ》
《了解した》
《マスターの御心のままに》
「ミロー!」
「ふりぃ〜!」
「キューン!」
「ガァアアアアッ!」
「頑張ります!」
《フッ》
「チュリチュリネー!」















さて、今日行われるエキシビジョンマッチ、四天王戦を開催される前にご紹介しましょう

新しく手持ちに入った仲間達を

何故、どういった理由で、彼等がどんな気持ちでミリの元へ集ったのかを――――…









(少し過去を振り返ってみましょうか)


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