「モブ1こと、名前はキタ!」

「モブ2こと私はヒガシ!」

「モブ3こと名はニシ!」

「モブ4こと我が名はミナミ!」

「四人合わせて、」

「「「「【ミリ様の心身を健やかにさせ隊】」」」」

「「ブーイ…!」」(パチパチ


「キャラ濃過ぎ」
「決めポーズまでキメた…」
「本部って全員こうなのか?」
「あの名前本当に本名?」
「名前が統一過ぎるけど姉妹なの?似てないけど…」
『ミリちゃんの影響って凄い』
『ミリ姫まで中に入ったら完全に戦隊モノだな』
「この場合はプ〇キュアじゃね?」
『『それだ!』』
「笑わせないでくれ頼むから」








「……おいアレ…同一人物達か?」

「そのように記憶しておりますが……あのような人物達だったとは。予想外です」

「(どやぁ)」





―――――――――
――――――
―――








ついに始まった、「シンオウに起こった出来事の全て」の会議が

被害者でもありリーグのトップであるポケモンマスターへ、全てを包み隠さず説明する機会が―――遂に訪れてしまう






「まず先に、ミリさん…確認の為に一つ、貴女に聞きたい事がある。…応えられる範囲で答えて欲しい。…構わないか?」

「はい、構いません」

「貴女のは、20XX年〇月〇〇日に行われたリーグ送別会を終わらせた後、帰宅中のところから突然あの場所へと移動させられた。…この認識に相違は?」

「ありません」

「…応えて頂き感謝する。まずは貴女があの場所に来た時、シンオウに何があって俺達が何故あの場に居たのかを説明させて頂こう」








そしてナズナはミリに話し出す



数ヵ月前に突如シンオウに襲いかかった凶暴走化現象。数年前から水面下で少しずつ野生のポケモンが行方不明になっていき、ついにそのポケモン達は凶暴走化してシロナやダイゴ達を襲った。倒しても倒してもまるでゾンビの様に復活していくその姿、レンの持つスイクンのぜったいれいどの技がなければ野生のポケモンは勿論ダイゴ達の命も危なかっただろう

その事件が起こった二週間程前に溯る。とある出来事があり、ナズナとゴウキとレンの三人を中心に調べを進めていき―――このシンオウにはナニカが起こっていると知る。そして約二週間後の同日、シンオウの凶暴走化現象の原因である"ある存在"と対峙する事になり、正式にリーグはシンオウの脅威の存在を知る事になる






「その存在は、犯罪組織『彼岸花』」

「―――…彼岸花…」

「14年前にシンオウに脅威を振り撒こうとした犯罪組織。しかしその組織は【隻眼の烏】の手により壊滅されていたが…ロケット団と手を組んで、正式に復活する事になる」

「………………」





当然シンオウ全体は行動の規制を張り、二次被害を避ける為にリーグ協会さらに警察や救助隊など総出動させた

そして"とある出来事"で敵のアジトの居場所が発覚したところで、またしても敵は次の手を打ってくる事になる。それが"催眠怪電波"。敵のアジトの半径〇〇kmを中心に電波は発動され、電波に入ったポケモン達はたちまち睡眠状態へ入ってしまう

状況は最悪だったが、半年程まえにまた別で「こうてつじま怪電波事件」がありそれを解決したゲンの助力もあり、催眠怪電波を克服するポケモンを得て、自ずとそのトレーナーが限定される事になる






「それが僕達、突入チームだ」

「…………突入、チーム…」

「…メンバーに関しては気になるだろうけど…後でその理由とその役割を説明するから……待っててくれ」

「…ん」

「―――話を続けよう」






ハクタイシティの外れ

ハクタイの森にある幽霊屋敷

その地下に奴等は潜んでいた。ロケット団の団員四名が催眠怪電波装置の実権を握り、突入チーム達を待ち構えていた。凶暴走化現象で操られているポケモンを闇夜の助力で、とあるポケモンにはレンが、そして渦中の催眠怪電波装置を見つけるもそれは偽物で、敵のトラップにより電流が流れるマジックミラーに、悲しき事に全員閉じ込められる結果となる。勿論別れて戦っていたレンも同様に、敵のトラップによって全員集合となってしまう

何故ただ閉じ込められたのか。理由はあの最下層はモンスターボールが開閉出来ない電波が出ていたからだ。そうすると自分達の出来る事はかなり限られてしまい、結果ただただ閉じ込められる事態に陥った。そうこうしている内に予想外な存在である白亜と黒恋が現れ、ロケット団と対峙。そして凶暴化したポケモン達と交戦し始める。絶体絶命のピンチ、誰もがそう思った時だった






「その時に、あなたが現れたのよ…ミリ」

「………私、が」

「…そこからの展開は、あなたも知っての通りよ。結果として、私達は無事に地上に戻る事が出来たわ。操られたポケモンも無事よ。ただ、怪電波装置は…無事ではなかったけど」

「………無事じゃなかった…?…何故?私の知る限りでは怪電波装置は無事だったはずよ」

「………それは、」

「その件は後で俺が伝える。……ミリ様、今はその件についてはご容赦を。後ほどお伝えします」

「……ん、分かった」







地上に戻りミリが本部へ消えていったあの後―――突入したあの日からまだ約一週間前後しか経っていないが、少しずつ調査は進んでいる。

まず100体以上の負傷したポケモン達は、ポケモンセンターの助力と救助隊の支援のおかげで、無事回復傾向にあるとのこと。一部のポケモンは未だ重傷から回復せず、中には残念な結果になったポケモンもいたらしい。取り零してしまった命はあれど、それでも甚大な被害を回避した事はかなり大きい。亡くなってしまったポケモンはポケモンセンターの方で丁重に弔ったとも報告があった


捕まったロケット団の団員。一人は調書を素直に答えている様子であり、他の三人は相変わらず黙秘を続けている。このまま根気強く、三人の取締まりを進める予定である

一人の調書によれば、そのロケット団は後から合流した身であり、ハクタイシティのハクタイの森にある洋館―――つまりあの現場にずっとこもりっぱなしでいたとの事だ。他の二人なら敵の本部を知っているかもしれないが、生憎自分には何も知らされていない。主にその二人が情報を握っている為、吐かすならその二人をおススメするとも答えていた







「………………」







ナズナが説明していく中―――ミリはその漆黒の瞳を閉じ、静かに耳を傾けていた

一つの言葉も取り零さない為にと。多少ナズナの説明に口を滑らす事はあっても最後は沈黙を守り、ミリは耳に全集中させているのが誰が見てもよく分かった



―――しかし、ステージの上にいたナズナ達は見つけてしまう



ミリの膝の上に置かれている右手が、強い力で握り締められている事を

己を律しようと、感情を表に出さない様に―――ギチギチと、細く白い手は固く握り締められていて






「いけません、ミリ様」






それを止めたのは

右側に座っていたゼルだった






「……ミリ様のお手に傷がついてしまわれます。握るのでしたら、俺の手を」

「!………ダメ。ゼルの手が痛くなるよ」

「俺の手はミリ様を守る為にあります。…ご安心を、そんなにやわではありませんよ」

「……ごめんね」

「いえ」






だからお前は公然の場で隙あらばアプローチをかけるなイチャつくんじゃない



と、ナズナのこめかみにビキィと青筋が走し、ダイゴの持つ資料がミシィと音を立てる。そんな二人に隣にいたシロナは苦笑を漏らしていた

流石にテーブルに座っていた者達もミリ達の様子に気付いたらしい。デンジは中指をゼルに立て、オーバはジト目、ゲンとゴヨウは呆れ顔を浮かべ、マツバとミナキは『(はーやれやれ)』と二人で肩を竦めていた



レン?

彼なら少し離れた席で忌々しそうにゼルを睨み付けてはその頭をゴウキにはたかれていたが



話を戻そう






あの森の洋館には作為的に地下室が造られ、最下層には催眠怪電波装置があったが今はその姿がない。きっと残っていたら捜査の大きな一歩にもなっていただろう。無いのがとても悔やまれるがそれは置いておいて

あの洋館にもパネルワープが存在した。ダイゴ達をマジックミラーに飛ばした原因がしっかり残っていた。これは大きな進歩である。彼岸花がどういう原理でこのパネルワープを成功させたかは分からないが、けれど確実に敵アジトに近付ける事は間違ない。大至急パネルワープの原理を追究中である

そして平行してナズナを中心に、警察のサイバー犯罪課と共に彼岸花の本アジトの居場所を捜査中である。未だその尻尾は掴めていないが、パネルワープを飛んだ先には必ず敵アジトに辿り着けるだろう。現在パネルワープはうんともすんとも反応しないが、必ず辿り着けてみせる




犯罪組織『彼岸花』


あまりに脅威な存在であり、すぐにでも壊滅させなければならない渦中の存在


――――奴等の目的は、未だ不明である







「ここまでが、今現在起こっているシンオウ地方の状況だ」














長々と説明したナズナはそう締めくくった







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