「………エルレイド」

「エル」

「アイツは何処だ」

「……」

「……エルレイド、お前何違う所を見てんだよ俺の質問に答えろ。………おいアブソルお前なんだその目は。トゲキッス、言いたい事があるなら口で言え。ハピナスとミルタンク、憐れみの目で俺を見るな。スイクン、傍観するな視線を逸らすな」

「ハッピー?」

「は?昨日の夜を覚えているかだと?………昨日の夜…いや、サッパリだ。ミリと部屋に入ったのは覚えているが……つーか何で俺たんこぶが出来てんだ…?そしてそのタライは何処から現れたんだ」

「「「「「「……」」」」」」





もう溜め息しか出てこなかった




―――――――
―――――
―――












空がとても、青い


晴天の空はとても晴れ晴れとしていた。空気を吸えば、とても新鮮な酸素が身体の中に取り込まれ、眠気が一気に吹き飛ぶ

身体を伸ばせば、身体の方も眠気が覚めた様で動きやすくなった

視線を逸らし足元を見れば、未だ眠そうに目をしばしばする白亜と大きな欠伸をする黒恋。蒼華は大空を見上げて、時杜は気分が良いのか宙を踊っている





後ろを向けば、私の家




しばらく、帰ってくる事はないだろう








風がそよぐ今日この日


私達はカントー地方を去り、ジョウト地方へ足を運ぶ







「ブーイ」

「ブイブイ」






よじよじと身体に登ってくる白亜と黒恋を抱き上げて、二匹をギュッと抱き締めれば嬉しそうに鳴く

右肩に時杜が座り、時杜を触れれば時杜も嬉しそうに笑った。すり寄って来た蒼華にも撫でてあげる





私は印を組んだ



キュィィインと聞こえるのは、人を寄せ付けず人には見えない結界を解いた音








「さて、そろそろジョウト地方の旅へ足を運びましょうか、皆!」

「「ブイ!」」
「…」
《はいっ!》









カントーバッチを制覇しクチバからがむしゃらになって帰って来たあの日から、もう一週間が過ぎようとしていた







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