頭の中で走馬灯の様に回想をしていく内には目の前で私を組み敷くレンが顔をすれすれまで近付かせてきた(近い近い近い近い近い!)とてつもなく、近過ぎるレンの無駄に整った顔がドアップであるから、柄にもなく顔を赤らめた。髪を下ろしているせいか、普段とは違う様に見えるレンに不覚にもときめきを覚えてしまった が、そんな事も束の間に私はある事に気付いた 「レン…まさか酔ってる?」 「酔ってねぇ」 「いやいや、どう見たって酔っているでしょ!お酒の香りがプンプンする!一体何本飲んだの!?」 「さぁな、知らねぇ。俺はただ近くにやってきたオッさん達と酌してただけだ。そもそも俺は酒が強い方だ。安心しろ」 「この状態でどう安心しろと!?」 レンの熱い吐息からはさっき飲んでいたはずのアルコールの匂い。こんな匂いを口から出てしまえば誰だって酔っている事に気付く しかしどんだけ飲んできたんだ。勘定ではあまり金額はなかったはずなのに 「だったらすぐさま退いてよ!近い!顔が近い……っ!////ちょ、何処触ってんの!!?」 「お前の柔らかい太股」 「うわ、ちょっとリアルに言わないでよ!……っだぁあああ!////この酔っ払いがぁあああ!」 もう片方の、自由になっている手が私の太股を撫で回す様に触ってきた。驚きのあまり声を上げるが、レンの腕は全然止まってくれる様子はない(と、とと鳥肌がたたたた立つ……!← 酔ったせいでセクハラ破廉恥大魔王がご光臨なされたようだ くすぐったさと恥ずかしさと怒りに睨み上げれば、レンの口角が吊り、上がっ、た…。あ、もしかして逆効果…?と嫌な汗が流れた次の瞬間には、いきなり首筋に噛み付いてきた(えぇぇぇえ!? 「っ!ちょ、レン!何処を噛んで、い……っ!?」 噛み付いてきた始めは甘噛みの様に(なんかこう…ハムッてした)はむはむ(もう分からない)していたら、いきなり鋭い痛みが首から走った 痛みに顔をしかめると、痛みが徐々に収まりなんか舐められている様な感覚に襲われた。耳元からペロペロとした不思議な音が……いやいや、むしろ現在進行形でコイツ噛んだ場所を舐めている…!(いやぁぁぁあぁぁあ何してんのアンタぁあああ! 「お前本当に無防備だな」 首元に食らいついたまま、耳元でいきなり話しかけられる。レンの吐息が耳にかかり、不覚にも鳥肌がたった 対抗の言葉を口にしようとした時には、レンの手があらゆる場所を撫で始めたから言葉が奥に引っ込んでしまった(くすぐったさと恥ずかしさとその他エセトラ 「こんなにも足を出しやがって……まるで俺に触って下さいと言っているみたいだ」 「い、ちょ…誰もそんなこ、と…ひっ!撫でない、で…!」 「薄い生地の服……簡単に脱がせる服とか着るな。もし何かあったら簡単に脱がされちまうぞ」 「うゎ…!やめっ、脱がさないで……ちょおおい!」 「男の前でそんなに露出をするな。胸元をこんなに開けやがって……」 「ひっ!////……い、や…ちょ…胸を、揉まない…で!…っぁ…」 「首もこんなに開けて…………噛み付きたくなる」 「既に噛んでいるじゃ……ひっ、ぁ…!」 容赦なく太股を撫で上げ、器用に着ていた服を脱がせる。茶色い下着の上から胸を揉まれ、また首筋に噛み付き舐め上げる レンの(名付けて)教育的指導によって私の頭はパニックになり、真っ白になる。抵抗しようとも出来ない私を攻め立てる様に首に舌を這いずり回す 止まる事の知らないレンに、改めてレンは男だとを知り、そして初めてレンに恐怖を覚えた 「…っレ、ン!いい加減にして!」 恐怖を押し殺し声を張り上げる このままレンを野放しにしたら大変な事になるし、私の中にいるレンに対する"何か"を下げたくなかった(いくら酔ったとしても)(それに私はれっきとした女の子) 声を張り上げた事で、ピクリとレンは止まる やっと止まった、と内心ホッとするもそれはすぐに打ち砕かれた 「そんなに声を荒げるな… ―――――――喰っちまうぞ」 「―――――っ!?」 呟いたと同時にレンの顔が動き、私の正面に現れる。口角を吊り上げ、口から舌を覗かせ――今のレンの姿は、まさに『獣』だった 「レ、ン…」 「そんな色っぽい顔をするな。…………本当に、その口を塞ぎたくなる」 レンの手が、私の顎を掴み持ち上げる どうやら本当に塞ぐ気らしい ゆっくりと近付いてくるレンの顔。レンの口がまっすぐ自分の口へ向かっていく 逃げれない、逃げられない 後数センチで、唇が重なる―― 「く、口だけは……だだだだ、駄目ぇえええ!!!」 ゴイーン!! → |