「よし、たまには一杯飲むか。つーことでミリ、お前とりあえず未成年だけど見た目俺と同い年に見えるから大丈夫だろう」 「え、何それ今ちょっとピッキーンって来た様な気がするんだけどちょっとレンさん」 きっかけはレンの一言から始まった グリーン達から別れてクチバ方面へ向かっていた時(ジョウトに行くには船が必要とレンは言う)(船の出航が明日らしい)、「お前の全バッチ制覇祝いだ」とレンは急に言い出し、頂戴タマムシシティに入ったのでそこでいつもより遅い食事を取る事になった レンに(無理矢理)案内されて訪れた場所は………なんとまさかの居酒屋だった(おいおいおいおい!)。「此所の地酒が美味いと評判らしいぜ」と如何にも楽しみだとルンルンと私の手を引いて中に入るレン。居酒屋かよ私に拒否権はないんかい!と言う前には既にカウンター席へ案内されていた(くぉおお!酒の匂い…!← カウンターに席を着けばすぐにレンは店員(てか店長?)に食べ物を注文し始めた。おいこら私には聞かないのかよと言う前には既にレンは酒を頼んでいた。あれ、なんか上記の表現と同じな気が(ry 「……レンも歳は23歳だから普通にお酒飲めたんだったね」 「まぁな。酒はどれも好きだが…一番好きなのはハイボールでその次がウイスキーで酎ハイ、カクテルで日本酒だ」 「どれもアルコールが強い…!……ちょっともしかして自分がお酒飲みたいから連れて来たの!?そもそも私何飲めばいいの!?」 「お前はジュースでも飲んでおけ。つーことでオヤジー、こいつにオレンジジュース!」 「あいよー!」 「私が主役だよね!?」 手際の良く店長(略してオヤジさん)が私達の前に食事を出していく。モロキュー、チーズ、たこワサ、漬け物、するめ……っておいおいこれどう見てもお酒のつまみばかりじゃん!(しかもチーズって…!)(しかし何故和風をチョイス?)私が食べれるっていったら、今提供された焼き鳥とか串焼きとかそんなもの。良いもん美味しいから別に気にしないんだから!← 久し振りのお酒みたいでレンは終始口元に笑みを浮かべてジョッキをオヤジさんから受け取る。そんなに好きか、酒。私もジュースが入ったジョッキ(デケェよ!)を受け取る。…オヤジさん気前良いね並々と入ってんね(零れる! 「よし。それじゃ、ミリのカントーバッチ全制覇を記念して、乾杯!」 「かんぱーい!」 カンッ―――― 二つのジョッキが打ち鳴らす音は、きっと何処までも私の耳に残っていくだろう 何だか心が温かくて、自然と笑みが浮かんでしまう レンも笑みを浮かべ、フッと笑う。それから酒に口をつければ「やっぱ酒は美味いな」と本当に美味しそうに飲むから私は声を上げて笑った 口にしたオレンジジュースが、とても美味しく感じた * * * * * * 「居酒屋って結構…面白いんだね、うん」 食事を終え、居酒屋に出てポケモンセンターに向かいながら私は言う 敢えて楽しいと言わなかったのは訳がある。レンと(ちまちま)(仲良く)食べていたら周りに食事をしていた人が一人「あれ、アンタもしかして聖燐の舞姫!?」と私に気付いてから「うっそーん!本当だ聖燐の舞姫だ!」「マジマジ!?うっわー本当だマジで超美人じゃん!」「聖燐の舞姫も居酒屋にいるぞ!」「ジュース飲んでっぞ可愛いなぁおい!」「ちょ!サインくれサイン!」「いや!バトルだバトル!」…以下省略。そんなこんなで居酒屋にいる人全員に注目され、挙句の果てには引っ張られあっち行ったりこっち行ったりと、ゆっくりレンと食事も出来なかった(レンまさかの蚊帳の外)(いや大丈夫知らないオッさんと飲んでいた← 居酒屋って、こんな感じなのかなぁ…(あぁ服に匂いがついてしまった)。色んな人に食べる物を分けてくれたからお腹はとりあえず満たされているけど(美味しかった。軟骨の焼き鳥が← 「さて、明日の為にも早めにセンター行きますか!」 今度は私がルンルンになってレンの手を引き、先頭一番に歩き出す。繋がれた手はあったかいなぁ〜、そういえば前は冷たいのに珍しいなぁーと思いながら(ま、いっか 「………」 私は気付かない その時既にレンの様子がおかしい事に レンの目が、段々据わっていく事にも、何も気付かない 「お久し振りですねミリさん!カントーバッチ制覇おめでとうございます!」 「ありがとうございますジョーイさん!一泊とポケモンの回復をお願いします!」 「はい!ではポケモンをお預かりしますね。部屋はあの時と同じ部屋で、個室が二部屋ありますのでそちらをお使い下さい。回復が済んだらこちらから連絡を入れますね」 「よろしくお願いします」 ジョーイさんと感動の再会(違)を果たし、ラッキーが持つトレーにボールを置く。レンも(何故か無言で)ボールを置き、ラッキーは「ラッキー!」と言い、奥へ入って行った(可愛いなぁラッキーニヤニヤニヤニヤ← さて、とりあえず荷物を部屋に置きに行こう。(未だ黙っている)レンの手をまた引っ張って、指定された部屋に私達は歩いて行く 「例え火の中水の中森の中〜ふっふー」 「………」 カントーのバッチを全部取れて、お腹も一杯になっていた私は上機嫌だった。上機嫌だからこそ、レンが無駄に黙っている理由も知らず「ま、いっか」と勝手に自己簡潔をしていた 繋がれた手は温かくて、しかしされるがままの状態のレンの手に何も疑問も持たずに それが、いけなかった 「お、前と同じ部屋だ。懐かしいね〜!」 ドアを開けて中に入れば見知った物が私達を迎えてくれた 何だかかなり懐かしい。クチバジムでレンと再会して一緒の部屋になったんだっけ。そしたら白亜がレンにメローンになって黒恋がフシャー!ってなったんだっけ(ニヤニヤ)あぁ、本当に懐かしい 早速私は荷物を置きに奥に入って行く。とりあえずこの居酒屋の匂いが染み付いた服を着替えたい、そう思って荷物を椅子の上に置いた時……私はやっとレンの様子がおかしい事に気付いた 「………」 「レン?」 未だ無言のままなレン ピクリとも動かないレンに私は頭を傾げた。いつもだったら何か一言二言位言うはずなのに。しかもなんか黙っているレンが、その時だけ不気味に感じた 「ちょっとレン、どうしたの大丈夫?」 「……ぃ」 「え?」 視力が悪くて部屋が暗いせいもあったのか、レンの様子が良く分からない。しかも声が上手く聞き取れない もう一度聞き返したら今度はハッキリと「熱っつい」だなんて言ってきた。熱い、だろうか?疑問を浮かばせていたらレンはいきなりネクタイを解き、髪のゴムも解き出したではないか そこまでは良い そこまでは! ネクタイを解いたと思ったら、今度はボタンまで取ろうとするじゃないか!突然で奇怪な行動に流石に私は顔を真っ赤にして慌て出した(あわわわわ!//// 「ちょ!ストップストップ!脱ぐなら隣りの部屋に行ってってば!」 「めんどくせぇ」 「めんどくせぇじゃなくて!なら私が出て行くからお留守番よろし… ……っ!!??」 慌てて出て行こうとレンの隣りを通り過ぎ様とした時、いきなり腕を掴まれた(強い力だった グイッと引っ張られたと思ったら…強い力で突き飛ばされた。訳も分からず床に倒れこみ(床が冷たい…!)、訳も分からずレンに覆い被さられ、抵抗しようと思ったら逆に逆手を取られ…… 「ちょ…いきなり何するのさ! ――――レン!!」 そして今に至る → |