「うふふ、レンさんも中々やるわね。『俺はお前の勝利を信じている』ですって!キャー!!」

「アイツ…!…でもブルー、ミリは普通に見えるぜ?」

「分かってないわねレッド!ああいうのって誰だってドキッとするもんなのよ!いくらレンさんに普通なお姉様でも今のは効いているはず!心の中はドッキドキよ!」

「えー!俺は認めないぞ!」






「白亜、お前は本当に可愛い奴だな。そうやって大人しくしてくれて本当に助かるぜ。……コイツも是非白亜を見習って欲しいぜ(ギチギチ」

「ブィィイ!!(叫」






「みんな自由だなぁ」




――――――
――――
――












遥か昔の記憶





「お願い…!!」




見えない視界

使えない視力


頼れるのは、耳に聞こえる音に、今まさに皆が戦っているだろう動く気配



皆が、戦っている





「ソウカ、トキト――」





皆が、戦っている



私が出来る事は、ただ祈るだけ



皆が、無事で、生きてくれる様に









それしか私は出来ないから







視力を失われた目では、何も見えない


皆がどの状態でいるかも、光を通さない目ではそれすらも確認出来ない






祈るしかない


見る事が出来ないから


あの【異界の万人】として皆の前に威風堂々と立たなくちゃいけない立場なのに――私は無力だ







――でも、






「―――避けて!」







見る力を失って得た力


感じる――相手の動きが、心が




それが、無力の私が唯一出来る事







皆を信じる

皆に祈る

皆を――導く




力が衰え様が、傷つこうが


この命の灯が尽きるまで





私は―――――

















――あの時の私は無力だった




無力過ぎて反吐がでる

無力過ぎて悲しくなる

無力過ぎて申し訳なくなる






【昔】の私は今の私


今の私は【昔】の私







――私は無力



誰も何も、守れない










「だから、そう。私は…【私】はもう、同じ過ちはしたくない」





目の前に広がる騒然とした光景


荒れ果てたフィールド

凍える程のブリザード



王者に君臨する者

地に墜ちる敗者――







墜ちているのは、どっち?






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