「(リザードン…御三家の中では一番育てやすくて一番使い勝手が良くて一番気に入っていたポケモンだったんだよなぁ〜。だって炎タイプの中で空が飛べるんだよ〜一石二鳥じゃん〜手持ちに入れたいポケモンナンバーワンだったのに…いやぁやっぱり気に入ったポケモンと対峙するのは気がひけちゃうよ〜。あーこの逞しい身体!やっぱりリザードン大好きだぁぁあ!)」

「…ガル…?」

《ミリ様戻って来て下さい》






――――――――
――――――
――――
――









「さーて!グリーンとのバトルにあたって、いつもの様に戦って勝てる相手じゃないのは重々承知しているだろうからねー。レンが寝ている今の内に、レベルアップを頑張ろうじゃないかー!」

「「ブイ!!」」

《気合い入っていますね。僕も手伝える事がありましたら手伝いましょう》

「…」
《手伝おう》

「ありがと助かるよ〜。…あ、そうだ。この際新しい技を覚えるのもアリかもしれないね。黒恋はともかく…特に白亜、君だ!」

「ブイ?」
《わたし?》

「七種類の進化無しでのフィナーレを飾る為にも、何かどでかい技を習得すればこの先やっていけるよ。そうだね、例えば…ムカつく奴に一発ドカッと」

《ミリ様それは流石に止めてください怖いです》

「…」
《要らぬ事を教えるな》

「えー…良い案だったのに。でも、どの道必要になっていく力だからね…グリーンはきっと、リザードンを繰り出してブラストバーンを絶対にやってくるはず。ブラストバーンは炎タイプの究極技…一つでは対抗出来ないけど、二つなら対抗出来る。…つーことで白亜」

「ブイ!」
《はい!》






「イーブイが普通覚えられない、はかいこうせんを覚えてもらいます」














え、チート??

拷問だって??




いえいえ、そんなことはありませんよ。(…あだっ!ちょ、そこ!石を投げるな!)今回私がした事は、技マシン役のようなもの。はかいこうせんを覚えている蒼華と時杜の思考能力…つまり、はかいこうせんをする時の方法を読み取って白亜の脳にはかいこうせんの方法を吸収し、はかいこうせんというものを理解してもらう

理解してもらえば勝手に脳が指令を出し、身体が覚えたと錯覚を起こし力を得て習得する事が出来る。これなら覚えられない技でも可能になる事になる。けど、例外だってもちろんある。今回のはかいこうせんは何の問題も無かった、ただそれだけの事

後はやり方を覚えた白亜はそれを実行するだけ。始めは頭では分かっているけど中々光線が出なかったけど、先輩二匹プラス一匹の指導の元、はかいこうせんを習得する事が出来た。わーい、パチパチ←


威力はもちろん御墨付き

黒恋と放ったはかいこうせんは…それはそれは凄まじい力だった。これなら、あのブラストバーンに対抗出来るに違いない。幸い、はかいこうせんで身体に負担が掛かる事はなく(もちろん反動で動けなくなるけど)その心配はなかったから、ブラストバーンに対抗出来るに違いない!





「…おや?あそこにあった大きな岩が跡形もなく無くなっているが…」


「白亜、黒恋!あの石像に向かってはかいこうせん!」

「「ブイ!!」」




バゴォォォン!!!




《…僕、この世のリザードンが可哀相に思えてしょうがないんですけど》

「…」
《憐れだ》

「リザードンの石像が…粉々に…。………やっぱり此所は何も見なかった事にして部屋に戻ろう」






この子達の成長は、私の成長

今回の戦いも、これならイケる。ブラストバーン対策は取れた。後はこの子達を信じ、あのグリーンを倒す

白亜と黒恋なら出来る

私達なら、出来る




そう、思っていた












――ドガァァァァアン!!












「白亜、黒恋。――勝とう!」



「「ブイ!!」」















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