「面白い話をしているじゃねーか。俺にも仲間に入れてくれ」

「あらレンさん!ちょうどいい所に来てくれたわ!百歩譲ってお姉様をレンさんに譲るから、色々頑張ってちょうだいね!」

「期待に添えるよう頑張るぜ」

「キャー!レンさんったら男前!」





「グリーン!?何でそんなにボロボロなの!てか気絶しちゃってるじゃん!誰にやられたの!?」

「…まさかレンも有段者だったとは思わなかった…」




それは見事な一本背負い投げ+α



――――――――
――――――
――――
――









空はもうじき夕方に差し掛かりそうな頃。時刻でいえば三時か四時辺りな時間帯。タマムシデパートにやって来てからギリギリ二時間位が経過していた。流石にジム戦があるから、とまだ買い物中だったブルーを引きずって、そろそろトキワシティに行こうとしていた





「ブルー…お前これ買い過ぎだろ!?いくつ袋があるんだよ!これ俺達が持って行くのか!?」

「お前自分の分は自分で持て!」

「うるさいわね!ずべこべ言わずに持って行きなさいよ!」






大量にあるブルーの戦利品をレッドとグリーンが嫌々ながらも抱えるその姿はちょっと滑稽。完全にブルーの尻に敷かれている二人に苦笑しか出ない。あまりに荷物が多く、プテとリザードンがちょっと困惑気味な状態でおどおどしていた(可愛い

…なんだろう、二人にドンマイしか言えない←

プテに掴まれて荷物を重そうにプラーンと持つレッドに、荷物が若干重いのか飛行がぎこちないリザードン。対してブルーは鼻歌を歌いながらププリンを膨らませていた

…女って、強いね!






「完全に尻に敷かれているな、アイツらは」





トゲキッスをボールから出したレンが私の隣りで苦笑。やっぱり思っていた事は一緒みたいで「あの中でブルーが強いんだな。色々な意味で」と呟いていた。それにトゲキッスが頷いていてなんか笑えた





「お前はよかったのか?」

「見てたら逆に満足しちゃってね」





つくづく買い物しないで良かったと思う。確かにバーゲンは惹かれる物はあったけど別に欲しいと思わなかったしあの中に突っ込んで行く勇気なんてなかったし(大半そっち)お金は全然心配する事はないから買っても大丈夫だけど、もし買ったとしたら消去法でいくと私はレンに荷物を持たせる事になる

ブルーみたいに家が遠くてドカッと買わなくちゃいけない訳でもない私の買い物の仕方は、その時の気分による。そもそも私は服についてはフレイリの魔法に近い力で間に合っている(今の服もそう)から買う必要はあまり無い(お金に優しい)。でも買うとしても気に入った服を、必要な分だけを少量で買う為荷物は人と比べて少ない

少なくてもきっとレンは持ってくれると思う。けどそれ位は持てるしそこまでは迷惑かけたくない(レッドやグリーンにも





「まさか遠慮してんのか?」

「…そりゃ誰だって遠慮はするよ…アタッ」

「悪い癖、また出てるぞ。別にお前なら構わないぜ、荷物持ち。…流石にあの量はキツいけどな」

「ははは…流石にあんな量をいっぺんに買わないかな…私は」

「ははっ。なら、また此所に来ればいい。…今度は二人でな」

「…それは良い提案ね」

「予定、空けとけよ」

「フフッ、そうだね」






今の台詞はきっと冗談ではない、と思う。本人は冗談交じりの雰囲気ではなかったから。急なマジ発言は心臓に悪いからやめてほしい。ちょっと照れ隠しに、ふよふよ浮かぶトゲキッスの頭を撫でてあげる。トゲキッスは気持ち良さそうに目を細めてすり寄ってくる(この子実は男の子)(かわいすぐる)

私は視線をレンに向けクスリ小さく笑えば、レンもフッと笑った





「お姉様ー!レンさーん!行くわよ〜!」

「リザードン奴に向かってかえんほうしゃでもあげてやれ」

「グリーンそれだとミリに当たっちまうって」





気がつけば上空には既に皆が空を飛んでいた(若干物騒なのが聞こえた

トゲキッスの背にレンは飛び乗る。可愛い顔して逞しいトゲキッスの身体は軽々とレンを乗せて余裕だと目の前を浮かぶ(レンがトゲキッス…もう目が慣れちゃった←

私もとりあえず黒恋に頑張って、試しに、そらをとぶを無謀でやって貰おうかな〜。蒼華は三人の前では中々出せないし(その頃ボールでは黒恋がビクッとしていた


やった事も無い事を考えていたら、私の目の前にスッとレンの手が差し出された

驚いてレンを見上げる私に、レンはいつものニヒルな笑みで笑っていた





「今なら一名分空いてる。…乗れよ」

「…なら、遠慮なく」

「上出来だ」





レンの手に私の手を重ねると、レンはその手を握りグイッと引っ張った(その時夢で見たあの感覚が甦った、気がした)。意図も簡単に引っ張られた私の身体は軽々とトゲキッスの背に乗り、温かくそれでいて逞しい背中の感触を感じた

乗ったのを確認したトゲキッスが空に昇った。私は落ちないようにギュッと手を握れば、答える様にギュッと握り返された

繋がれている、私とレンの手

不思議と安心し、不思議と笑みが浮かんだ





「トゲキッス、アイツらに遅れを取るなよ。…向かう先は俺達が初めて出会った、トキワシティだ!」

「フィー!」







最後のジム戦へ






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -