優しい光の中


夜空に浮かぶ優しい月夜


沢山の仲間に囲まれる、私






「"  "様、此所にいましたか」






私の隣りで立つ、一人の男






「"  "さん」

「"  "様、此所に来るなら私に一度お声をかけて頂かないと心配します」

「フフッ、ごめんなさい」






知っている


私はこの人を知っている





私のそばにいつもいた人


私をいつも守ってくれた人


私をいつも支えてくれた人







「"  "様、帰りましょう」







微笑む顔は誰かに似ていて

流れる銀髪も誰かに似ていた

私を見る鋭い目も

私を写す優しい瞳も


誰かに、似ていた



………いや





似 過 ぎ て い た








「もう少しいても…」

「駄目です。風邪を召されますよ」






知っている






「ミュー」

「フフッ、ミュウの言う通りです。"  "さん、貴方は心配し過ぎですよ」

「何を言いますか。貴女は私が仕える主であり、仮にも貴女は一人の女性なんですから」





知っている





「それに世の中は平和になってもまだ燦然としていて、かなり危ない。貴女は恰好の的なんですから…魔獣達がいるとはいえ少しは危機感を持って下さい」

「…」

《"  "様の言う通りですよ。今日は帰りましょう、此所にいる皆も賛成してますよ》

「まぁ…皆して酷いですね」

「全ては貴女の為です」







知っている


私に言った言葉も、声色も

私を心配して叱る姿も

少し過保護過ぎる所も


私は全て、知っていた







「行きましょう、"  "様」

「はい、"  "さん」







私の手を取り、立ち上がらせる優しくもしっかりした手は、やっぱり私は知っていた









貴方は一体誰なの?













一つの記憶のピースが埋まった






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