「「ブイ〜」」
《ソウカ〜》

「…」
《…》

「ブイ」
《家に》

「ブイブイ」
《帰ったら》

「「ブイ!」」
《遊んで!》

「…」
《…あぁ》






「蒼華…なんだか口数が少なくなってきたお父さんみたい」

《蒼華は口で語るより瞳で語るタイプですから》

「なるほど…確かに」



喋る時は喋る子です




―――――――
―――――
―――









「ふたごじまって意外に広いんだね…。こうして地に足を着けて歩くとしみじみ感じるよ」


ツルン
「ブイ!?」
ドテン

「…」


「枯れ木だけど結構深い森だなぁ…やっぱりショップで島地図でも買っといた方が良かったかも…はぁ」


ツルン
「ブ!?」
ドテン

《白亜様!?》


「空もいつの間にか暗くなっちゃってるし…あーあ、もしかしたら私達野宿になりそうだよ皆………って、アレ?何で白亜と黒恋はボロボロなの?」

「「ブイ…」」





ふたごじまに到着し、カツラがいるであろうジムをグルグルグルグルグルグルグルグルひたすら回って約数時間。小さい白亜と黒恋の歩幅に合わせて歩いていたらかなりの時間を取ってしまった。空は晴れ晴れとした青空ではなく、もう夕焼けだ。夕焼けも後少し経てば夜に変わってしまうだろう

二匹の歩幅を合わせても、島は一周位回れた気がする。同じ景色だからあまり分からないけど、歩いた距離を想定すればその位は確実に歩いて来た。けど、全然見つからないのは何故(別に私は方向音痴ではないよ






「…少し休憩にしよっか。小腹、空いているだろうし」

「「ブイ!」」
《頂きます!》
「…」





昼以降皆何も食べていないからね、結構歩いたしかなりお腹は減っている筈(特に黒恋とか

バックからポロックケースとポフィンケースを取り出して皆に好きな味を出してあげる。白亜と黒恋は甘い物、蒼華は渋い物、時杜は苦い物だ(昨日発覚)。紙製の小皿にそれぞれ分け与えると、美味しそうに口に含める皆。可愛いなぁニヤニヤ。しかしもうじき終わりそうだよポロックとポフィン…あんだけ大量にあったのに食べればそりゃ終わってくるよね

何処で調達しようか…てか作る機械がない…この際造るか←

美味しそうに食べる皆の頭を撫でて、しばし観察をして堪能した私は立ち上がる






「少し回りの様子を視てくるよ。すぐに戻るから皆は此所にいてね。結界を貼っておけば安全だからね」

「…」
《着いて行く》





ポフィンを食べていた蒼華は顔を上げる。蒼華の隣りにいた時杜の通訳を聞いて私は苦笑する。過保護だなぁ、蒼華は特に。と思いながら蒼華の額にある大きなクリスタルに触れる。透明なクリスタルはヒンヤリ…し過ぎて冷たい(場所が場所だからね)が、私は優しく撫でる(…キュッキュッって音が)(すげぇ、油汚れをジョイで洗い落した食器みたい←

視るだけだから心配はいらないし、此所には野生のポケモンの気配はないから平気でしょ。そう伝えると、納得のいかない顔をしながら渋々といった様に私を見返す

私はクリスタルから手を離して印を組む。キュィィインと何処からか音が鳴り響くと同時に、他人には見えない結界が私達周辺を覆う。生き物を寄せ付けず生き物には見えない二重結界。これなら大丈夫でしょう

何をしたのか理解出来ていない白亜と黒恋と時杜の姿に私は笑った





「それじゃ行ってくる」

「「ブーイ!」」
《はーい》
「…」









結界って便利だよね






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