何処かの洞窟の中

暗闇を照らす、一つの光


朧げで、儚く淡い光は待っている

闇に溶け込み光を見守る者も、待っている




自分達を、見つけてくれる存在に







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次の日が経った


昨日のドタバタとは打って変わって、今日は何処か穏やかな日を迎えた。過去の旅もなく、いきなりレッド達の訪問もなければ特別これといったものは起きなかった。つくづく平和っていいね、と改めて感じた←

昨日三人が帰った後、白亜と黒恋の二匹に修業をつけてあげたお蔭か、レベルとか色々アップしたし(ご満悦)これならなんとかいけそうだ。グリーンの手持ちを見てあのポケモン達は今まで戦ってきたポケモンとはレベルが違っていた(どうやら二匹も感じ取ったみたい)から、正直勝てるかどうかは分からない。でもやるだけの事はやったから、後はあの子達次第だ

最終手段は蒼華と時杜使ってバッチを奪うのもあ(強制終了





「ブイ…Vv」

「ブイブイ!」





ちょっと回想していた私の耳に、二匹の鳴き声が

既に朝食を済ませ、ポケモン達は自由に、私は後片付けをしていた時だった(皿洗っている最中)。鳴き声は居間から聞こえ、なんか黒恋の声が一番聞こえる。なんだなんだ何があったんだ、と後ろを振り向き居間を見てみると、白亜は何か紙を持っていて黒恋は紙を威嚇している。近くにふよふよ浮かぶ時杜は紙が気になる様で覗こうとしていて、蒼華は相変わらず窓辺で日向ぼっこをしていた。え、何やってんの君達

丁度皿洗いを終えたので食器を片付け、手を拭きエプロンを外して居間に向かった私は、幸せそうに紙を持つ白亜を抱き上げた





「白亜ちゃーん、紙を持ってそんな幸せそうな顔してどうしたのかなー?」

「ブイ!Vv」

「ん?あぁ、写真か」





尻尾を振って顔を赤らめ嬉しそうに白亜は写真を私に見せる(しかし手放す気はないらしい)。それは昨日ブルーに見せた写真で、写っているのはもちろんレンだった。レッドのピカにでんきショックで焼かれてしまったが、無事再生して元に戻した写真だ。いやぁあの時はびっくりだよ本当

昨日説明はしなかったが、その写真に写るレンはタマムシティの喫茶店でコーヒーを飲んでいた。タマムシデパートでサトシ達と会う前の時で、もちろん目の前には私がいるがギリギリ写っていない。レンオンリーの写真だ。何故持っているかって?…押しつけられたんだよ!しかも「千円でどう?」って…!あの親父ぃぃい!もちろん買ってあげたけどね!←

まさか此所で役に立つとは思わなかったよ白亜ちゃーん





「ブイブイブイ!」

「ブ〜イ!」

「はーい、時杜通訳」

《そんなやつの紙なんて捨てちゃえよ!と黒恋様が言い、い〜や!と白亜様が》

「可愛いな〜」





本人(特に黒恋)は必死だけど、ごめんね私にはとっても癒しにしか見えないんだによによ。なんだよこの小動物…!可愛いぞ小動物…!(悶





《あの紙は昨日おっしゃっていたレン、という方が写っているのですか?》

「そうそう、かなりイケメンでさ。ほら、白亜がメロンメロン状態になるほどね」

《僕も写真が見たいです》

「いいよ、予備があるから大丈夫。白亜それあげるよ。大事にするんだよ」

「ブイ!」
「ブイ!?」

《白亜様をメロンメロンにしたその人を是非拝見してミリ様に相応しいかどうかこの僕が見定めて…》

「そこまでしなんでいいから」





うんぬん言う時杜に苦笑しながらバックから写真ケースを取り出して、また一枚を抜き取る。写っているのはもちろんレンで、サトシとシゲルとダブルバトルをしている時に審判を行っていた姿が写し出されていた。いや本当いつの間に撮ったのこの写真

…よーく見ると、本当にテライケメスだよな〜。そういえばあの時、レンの一つ一つの仕草だけで声援が黄色い声でびっくりしたなぁ。あんだけ人気なのにどうして飄々としていられるかが不思議だ

…逆にナルシーなのも、困るけど←





「はい、写真。この人がレン、本名はレンガルス=イルミールって言うの。フッ…その人こそ白亜の心を打ち抜いてしまった罪な男さ」←

《ありがとうござ………!?》








受け取った時杜の目が驚愕に開かれる

しかし、私は気付かないで話を進める。目線は未だ取っ組み合いを続けている二匹の方に向いていた為、時杜の顔色に気付かずに





「その人、とある理由で色々とお世話になっていてね、これからも色々お世話になるかもしれないんだ。確実に。その内に時杜も顔を合わせる時がすぐにでもくるよ。蒼華とも既に合わせてあるから、時杜だけ合わせないのは可哀相だしね」

《…ミリ様、この人はミリ様を見て…何処か妙な事とか、何かありましたか…?》

「え、妙な事?」

《はい。…この人といると、何処か懐かしい感じがしたり…》

「あぁ、うん。そうなんだよね、レンといると不思議とそんな感じになるのが幾度となくあるんだよね〜。いつの間にか信用しちゃっていたり…。きっとそれはレンの人柄の良さとして解釈しているけどね。それがどうしたの?」

《いえ、ただ思っただけです》

「そう?ならいいや。時杜にもレンが何調べているかとか、話しておいた方がいいかもね「ブィィィ!」…ってあらあら」





時杜の様子に気付く事もなく、丁度目線をそらせば白亜から写真を奪い、逃げ出した黒恋を追いかける白亜の姿が。とうとう強奪しちゃったか、と苦笑いしながら私はそれを止めに立ち上がった





「男の嫉妬は醜いよ〜」

「ブィィィ!」

「Σブイ!?」






ドタドタドタドタ…







《蒼華…》

「…」

《…分からなかったから何も言わなかったんだね…。でも、正直驚いたよ…こういう事もあるんだね






 彼は、似過ぎている》







そんな会話がされていた事に、私はもちろん気付かない






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