「……………………………………………また行き止まり…………………………………………………こっちもか……………………………………………全く、どうしてこんなにとれーなーがいるのかな………………………………………………………………………………………なるほど、ここをこう行けばこっちに進めて、あっちに行ってろっくくらいむをすればそこに入るのか。………やれやれ、これだから嫌なんだ」

「コラコラコラ」






ぶつぶつと、様子的にはどうやら迷っているだろう竹中半兵衛に、美莉は懲りずにまたツッコミを入れる。DSのカセット、「ポケットモンスター」のパールを進めていた半兵衛は美莉に気付くと手を止めて「やぁ、美莉」と言い、隣りに座る様に促すと美莉は遠慮なく隣りに腰を掛ける





「苦戦中みたいね」

「全くだよ。さっきから全然先に進む事が出来ないでいるんだ。流石、はーどまうんてんなだけあるよ。ちゃんぴおんろーどにもこの僕がかなりの苦戦を強いられたよ。まだはーどまうんてんでは、ばぐ君が回復してくれるから有り難いけどね」

「気持ちは分かるよ」

「そういえば君から別に借りたくりすたるばーじょん、無事くりあ出来たから後で返すのでそのつもりでいてくれ。まぁ、きっと最後だからと元親君辺り挑戦吹っ掛けてきそうだけどね」

「了解でーす」





元気良く返事を返す美莉に半兵衛は微笑むと、ゲームに視線を戻し「しかしばく君は面白い髪型をしているんだね。どうしてこんな髪型になるのか不思議でしょうがないよ」と呟く姿に美莉は苦笑いを零す

まぁ最後の一人まで来ていれば大体想像がつくに違いない。けど説明はさせてもらう。半兵衛も幸村と同じで始めはゲーム自体にさらさら興味は無く、連鎖の様にポケモンにハマり出していく彼らを鼻で笑う程だった。しかし、どうしてそんな半兵衛がポケモンに?答えは簡単、「ポケットモンスター」というゲームは夢と希望を含まれた育成ゲームだからだ。それに気付いたのは元親がやっている時に覗き込んだのがキッカケだった。半兵衛の頭の中の方程式に「ポケットモンスター→育成→兵士→強い兵士→秀吉の夢の第一歩」と、明らかツッコミ所が満載な式になってしまったのは、この際スルーをしよう。美莉に了承を得てまずは目に付いたクリスタルバージョンからやり始め、元親達と同じでもくもくと進めていった。洞窟ダンジョンなどグルグル歩くダンジョンが苦手なのか結構遅れをとるちょっと意外な半兵衛だったが、持ち前の機転の良さで進めていく。ある程度進めるとまた別のカセットのパールに目が行き、今度はパールを併用してプレイをしていった半兵衛だったが…





「ちょっと休憩をしよう」

「なら今の手持ちポケモン見して〜。半兵衛の事だからきっとバランス良く育て上げていたりしてね」

「光栄だよ、そう思われるのは。是非見てくれたまえ」

「わぁ、すごーい!レベルはバランス良いけど何このアンバランスな手持ちのポケモン達は」





最後の半兵衛でも、ここまで差が現れてしまうものなのか。美莉は脱帽しかける。あぁ、こいつら絶対ポケモンの世界に連れて行ったら我が道行く事間違ない

さて、いつもの様に現在ハードマウンテン攻略中のパールバージョンの半兵衛のポケモンはというと…






ドータクン Lv:69
フーディン Lv:68
ルージュラ Lv:64
チャーレム Lv:65
ヤドキング Lv:63
ネイティオ Lv:66..




超能力が欲しいお年頃なのだろうか







「超能力、素敵じゃないか」

「誰もが欲しいと思う能力だよね」

「超能力自体非現実的だけど、もしこの能力があれば秀吉の天下は目前さ。超能力を得た優れた兵士の前に、皆は平伏すのさ」

「絶対この人ゲームだと悪役キャラなタイプだよ」

「そんな正面きって言わないでくれたまえ、照れるじゃないか」

「照れんな」






そんな超能力を得た兵士なんかいたら逆に下剋上されてもおかしくはない。それに半兵衛の言う秀吉はあの豊臣秀吉で、あんな巨漢が超能力まで使えたら世界の滅亡にまで行くのではないか。ほら、彼目からビームを放つ位だし

しかし何故半兵衛はそんな考えしか出来ないのだろうか。ちょっぴりずれたお馬鹿ちゃんなのに。美莉はとりあえず、見守る事にした






「さて、これから僕はばぐ君と一緒に最深部まで行こう。あぁ、君さえ良ければもし万が一僕が道に迷ったりしたら是非手を貸してくれないかな。つまりは僕がくりあするまで一緒にいてくれ頼むから」

「素直に助けてと言いなさいって」









竹中半兵衛

彼は真のエスパータイプの使い手










しかしどうして同じ所をグルグルグルグル回っているのか不思議でしょうがない美莉だった

終わり
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