「……………………………………………………………………………あー、中々釣れねぇなぁ、ねおらんと。……………………………………………あ、またかよこいきんぐ。コイツ跳ねるだけで何も出来やしねぇんだよなぁ…。捌いたら不味そうだな。とりあえず捕獲っと。………………………………………………………おくたん?おぉ、コイツは捌いたら結構旨そうな奴だな。野郎共にも食わせてやりてぇぜ。とりあえず捕獲。…………………………………………お、ぎゃらどすか。…!、色がいつもと違うじゃねーか。そういえば銀にも色違い出てたな。コイツはいい!捕まえておいて損はねーな。ほれ、マスターボール。ハ!チョロいぜ」

「見る基準がなんかおかしいって。しかもマスターボール勿体なっ」





日当たりの良い部屋で大の字になって寝転んで、DSの「ポケットモンスター」のダイヤモンドをプレイ中の長曽我部元親に美莉はまたもやツッコミを入れる。美莉の存在を気付いた元親は寝転んだまま「よぅ!」と手を上げる。美莉は笑って答えると元親の隣りに腰を下ろし、DSが覗ける様に同じ様に寝転ぶ





「何しているの?」

「釣りしてんだ。ねおらんとってーの捕まえようとしてる所だ。お、そうそう銀ばーじょんあんがとな。猿と竹中と進めてたお陰で図鑑完成したぜ。手持ちれべるが百になったら返すからもうちぃと待ってくれ」

「全然いいよー、楽しんでくれたらそれだけで嬉しいからね私は」

「ハハッ!この通り楽しんでやってるぜ」





言葉通りに元親は楽しそうに「ねおらんと、アレ海にいたらぜってぇ可愛いだろうなぁ」とDSを動かす。元親の"可愛い"発言に美莉は吹き出しそうになる

もういちいち説明しなくてもいいかもしれないが、説明しよう。元親の場合、機械類に興味があり、勿論ゲームにも興味があったのだが何故かポケモンには手を出さずにゲーム機自体に興味があり、始めはポケモンをやっていなかった。ゲームに、ポケモンにハマってしまった元就を順番に政宗、幸村、佐助とハマっていく仲間達にかなり驚いた元親は、遂に手を出す事に。きっかけは佐助がプレイしていた金バージョンでマリルを見た事によってポケモンに手を出す事に決めた元親。やはり同色なのだろうか、銀バージョンを選び、もくもくと進めていき、たまたま目に付いたダイヤモンドを手に取り了承を得てプレイし始め、始めのポケモンをポチャマに選び進めていった元親であったが…





「あー、まさかだけどさぁ…元親、ちょっと手持ち見せてくれるかな?」

「手持ちか?いいぜ、ほらよ。これが俺のべすとぱーてぃだぜ」

「あー、はいはい。お前もか。お前も同じタイプばかりなのか」

「海の男は黙って水たいぷだろ?ハハッ!」

「君のその心意気に感服だよマジで」





まさかのまさか。一番まともかなぁと思っていた男まで、まさか同じタイプのパーティーだったとは。流石にここまでくれば言う気力も失ってしまう

やはり本人が自称で言う辺り、狙っているのだろうか。婆娑羅能力では相性は悪いのに。やはり決め手が可愛いマリルを見たせいなのか。そう、彼は姫若子時代から可愛い物好きだったから

さて、そんな元親のダイヤモンドの四天王挑戦後ハードマウンテン攻略前の手持ちはというと…





エンペルト Lv:65
ペリッパー Lv:61
ギャラドス Lv:63
シャワーズ Lv:64
ゴルダック Lv:62
マリルリ  Lv:90..





そんなに可愛くて大好きなのか





「…マリルリ、好き?」

「………おう」

「…可愛い?」

「………おう」

「そういえば銀バージョン覗いた時、捕獲困難だったマリルがいたっけ…。大変だったでしょ、マリル」

「………おう」

「頑張ったねー」

「ん」






やはり兄貴と呼ばれ様が鬼と呼ばれ様が西海の鬼と呼ばれ様が、やっぱり好きな物は昔から変わらない

今こうして美莉の前で可愛い物好きと言えるのも、今はただ一人の長曽我部元親であって、海を統べ四国を統べる長曽我部元親ではない――今の内にでも、自分の気持ちを押し殺さないで自由に楽しんでくれたら、それだけでいい。正直な生き方が、元親に向いている。そう、感じた美莉だった






「しょうがねぇ、ねおらんとはまた後でにして、俺はこれからはーどなんたらに行ってサクッとぶっ飛ばして行くぜ。野郎共!俺に着いてきな!」

「あはは、頑張れー」






長曽我部元親

彼は真の水タイプの使い手











きっと銀ではあんなに苦労したのにダイヤモンドは簡単に捕まえられるなんて、という絶望感が元親にはあったのかもしれない。気持ちがすっごく分かる美莉だった

終わり
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