「あー、なーんかこのライバルムカつくなぁ。駄目だねぇ、ぽけもんを大事にしない奴なんて。ちょっとカチーンときたかなぁ、俺様。もしこれ本人いたらサクッと殺しちゃっていたかも〜。まぁいいや、とりあえず俺様はふぁいあれっどとりーふぐりーんのぽけもん育成に入りますか。ふっふふ〜ん」

「今なんか物騒なのが聞こえたんだけど」






アドバンスの「ポケットモンスター」のカセットを金からフャイヤレッドに鼻歌を歌いながら取り替える猿飛佐助に美莉はまたツッコム。美莉の存在に気付いた佐助は「やっほー美莉ちゃん!」と元気に手を上げる。美莉も同じ様に手を上げて佐助の隣りに腰を降ろす





「美莉ちゃん、金ばーじょんありがとね。とりあえず全くりしたからもうちょっとやったら返すね」

「うん、全然構わないよ。今からやるのってフャイヤレッド?」

「そうそう、りーふの方はくりあしたから、まだしてないふぁいあ。の四天王挑戦前。酷い話、旦那らの四天王ってれべる弱いのにどーしてこっちは高いのかもう俺様お手上げ」

「あはは」





金も四天王弱かったなぁ〜とぶつぶつ言う佐助。そんな佐助も元就と政宗と幸村と同じだった

当初、佐助も幸村と同じだった。ゲーム自体に興味は無く、ハマり出した元就を面白そうに観察していた。しかし、政宗もハマり出し、ましてや自分の主まで…流石に自分の主までやりはじめればこっちもやんなくちゃいけなくね?と仕方なく目に付いた金バージョンをやりはじめれば、結構ハマってしまった。人はそれを、ポケモンマジックと呼ぶ。金バージョンを着々と進めているとまた目に付いたのがファイアレッド、リーフグリーンのカセットが。「俺様臨機応変だから」と美莉に承諾を得てプレイしてみれば、画像が綺麗で主人公の動きがあるじゃないか!しかも幸村達がやっていたのよりバリエーションが!つまりは気に入ってしまった佐助。ルビー・サファイア・エメラルドと通信出来るのもあり、自分のを進めさせながら三人の要望に合わせてポケモンを捕まえたりしていた。だがファイアレッドとリーフグリーンはルビー・サファイア・エメラルドと通信する為にはあるダンジョンをクリアしなくてはいけないと気付いた佐助は、持ち前の不眠で着々とこなしていった。流石忍である





「さて、それじゃ私はリーフグリーンの手持ちを見させて貰おうかな」

「いいよー」

「……ちょっと佐助さん」

「なんだい美莉さん」

「悪タイプ、好き?」


「大好き」





語尾にハートを付けそうな位に清々しく言う佐助に美莉はもう引きつった笑みしか出てこなかった。まさか、まさかコイツまでこんなパーティーになってしまうとは、誰が予想したか

…いや、訂正。よくよく考えれば想像はつく。闇に生きる猿飛佐助は忍、婆娑羅能力は闇…ここでもやはり同色か、同色なのか





「…明らか捕まえられないポケモンがいるのは幸村達から貰ったの?」

「ただ脅迫されて命令されてもふぇあじゃないでしょ?気に入ったぽけもんを捕まえてもらって交換。ここはキチッとしないとね!」

「なるほど。しかしこの手持ちは敵に回したくない」

「褒め言葉だよ」





さて、そんな美莉をも絶賛する佐助の四天王撃破殆どのミッションクリアの現時点のポケモンはというと…





サメハダー Lv:75
ノクタス  Lv:76
ヘルガー  Lv:79
ヤミカラス Lv:80
ブラッキー Lv:85
バンギラス Lv:88





実際に戦ってみようとすれば確かに敵に回したくないポケモンばかりだ







「…えーっと、この手持ちのニックネーム…"さいぞう"とか"かまのすけ"とかって…」

「あぁ、それ真田忍隊の部下の名前。俺様真田忍隊の長だからね」

「あらー」





あぁ、真田忍隊ドンマイ

彼らの名前を付けられたポケモンは佐助の手によって着々と育て上げられていく。「いやぁ、ぽけもん可愛いね。反論されないし対抗されないし、俺様この世界に行ってこの子達に会いたいなぁ」と言う佐助の背にはどんよりと黒い何かが背負っていた。日頃どれだけ苦労しているのか…美莉は何も言えなかった

少なくとも、ここにいる間だけでも自由に気ままに遊ばせてあげよう、そう思った






「さーて、これからあのちょっとぷち☆うざ☆な、らいばる君をサクッとやっつけちゃいますか。いざ、忍参る!」

「頑張れー」









猿飛佐助

彼は真の悪タイプの使い手











佐助がもしポケモンの世界に行ったら、きっとブリーダーになっていそうだ。そんな事を考えていた美莉だった

終わり
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