「行くぞ!我が槍、我が命!力の限り道を切り開かん!!………行け、ばしゃーも!ぶれいずきっく!……何!?効いてないだと!……はっ!?ばしゃーもぉぉお!まさか一発で殺られようとは…!なんと強いんだ!あなどれぬ、みくり殿!なら次はきゅうこん!かえんほうしゃ!……あまり減ってないで御座るなぁ。…!?きゅうこぉぉおん!お前もかぁぁあ!某はそんなやわに育てた覚えはないで御座るぞぉぉお!なら次はぶーすたー!…ふぉぉぉお!先手を打たれたで御座る…!流石みくり殿!流石らぶかす殿!ならふゃいやー!どりるくちばし!…おぉ!流石は伝説!流石は鳥!それでこそ真の武士で御座るぞぉぉお!この調子で…!次のぽけもんはみろかろす!よし、どりるくちばし!…ぬ、半分までか。中々簡単には殺られぬか。……ぬぉぉお!殺られたぁぁあ!そんな…!クッ、こーたす!とっしん!…おしい、あと少し!……ぬぉぉお!卑怯な!回復を使うとは…!貴様には真の武士道は無いのか!せっかくふぁいやーが心身削ってまで時間を稼いでくれたものを…!許せん!こーたす、かみつく!…くっ、ここでもこーたすが力尽きてしまうなど…!よし、ならばここは最終手段




お頼み申す!お館様!


「いやいやいや」






先程から実況もどきを叫びながら行う真田幸村に、美莉はツッコミを入れる。若干物騒な言葉が聞こえてならない。熱中していて第三者がいるとは思わなかった幸村は美莉にびっくりし、手にしていた「ポケットモンスター」のゲームのボタンを押しかける





「おぉ、美莉殿!」

「ミクリと戦っているの?」

「左様で御座る。回復の手を使う卑怯な輩であるが、ぽけもんは中々強く先程からうまく実力が発揮出来ないので御座る」

「そりゃ手持ちが炎タイプだけなら実力なんて発揮出来ないって」






彼もまた、元就と政宗と同じで現在ポケモンを攻略中

彼の場合、始めはゲームの存在を知ったとしてもゲーム自体に興味を示さなかったが、政宗と元就が楽しそうに小さな機械で遊ぶ姿に羨ましくなり、興味本位でゲームを物色していると、発見したレッドバージョン。またもや同色。好きなのか、赤色。美莉にOKを貰い早速やってみれば、やっぱりハマってしまった。彼も燃え盛ん程の集中力で着々と進んで行き、四天王をクリアしていった。対抗したかったのかレベルをMAXにしたり図鑑を集めていたりしていたが、政宗と元就が新たにサファイアとエメラルドをやり始めたと知った途端、ルビーバージョンを選択。美莉にまた許可を申請し、OKを貰った後すぐにプレイを開始した。最初のポケモンを可愛いアチャモに選び、ポケモンを進めていた幸村であったが…





「幸村、私は君にすっごく感動している。なみのり必要無しにミクリのジムまで行ったか」

「そこは気合いで御座る」

無理だから。てかね、君もどうしてこうなってんのか私には分からないよ。レッドバージョンは普通だったよね。しかも幸村らしく全てが炎タイプ。フャイヤーとブースターは佐助から貰ったでしょ?」

「流石、目の付け所が違うで御座るな!れっどから目をつけていたぽけもん、某が佐助に頼み捕まえてくれたので御座る」

「それ頼みより命令でしょ」





真田幸村のイメージカラーは赤、彼の婆娑羅能力は炎。そのせいか、そのせいなのか。ここまで炎タイプでごり押ししてきた幸村に美莉は拍手を送ってあげたい。しかし、よくここまでこれたのが不思議でしょうがない

さて、既に幸村自身の口から明かされているが、現時点ミクリと対戦苦戦中な幸村の手持ちポケモンを紹介すると…





バシャーモ Lv:55
キュウコン Lv:50
フャイヤー Lv:52
コータス  Lv:49
ブースター Lv:47
グラードン Lv:56






…まぁ、そんなもんだ

レベル的には幸村の方が、普通だ






「そういえばお館様って言っていたけど…消去法でいくと、もしかしてグラードン?」

「大地を統べる彼の者はまさにお館様に相応しい存在!虎では無いのは惜しいが、炎を扱い地を揺るがすそのお姿はまさにお館様そのもの!」

「あ、あはは…」






これが本人が耳にしていたらどんな反応をしてくれるのか

…まぁ、対外予想されるのは「慢心するなゆきむらぁぁぁあ!」と幸村をぶん殴り喝を入れるか、笑い飛ばし自分も仲間に入るか、美莉にはその二パターンしか考えられなかった






「では某はこれからお館様と共に戦場に馳せ参ぜるで御座る。いざ、尋常に参る!見ていて下され、お館さぶぁぁぁぁあ!!…………ぬはぁ!?お館様が、討ち取られたぁぁぁあ!!ゆ、幸村、一生の不覚っ…!」

「もうちょっと考えてバトルしてあげようか幸村」








真田幸村

彼は真の炎タイプの使い手










元就や政宗の方が実はバランスが良かったと、美莉は改めて感じたのであった

終わり
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