彼はソファーに座ってただ一人もくもくと青くて二つ折りの小さな機械を操作していた。機械からは聞き慣れた効果音がビシバシと鳴り響いている。美莉はその姿を確認すると、彼に近付き声を掛けた





「政宗、どう?」

「Hey!順調だぜ」





ニヒルな笑みを浮かべて美莉に笑いかけるのは伊達政宗。彼もまた、毛利元就と同じで『ポケットモンスター』と言うゲームをやっている





「今何処まで行ったの?」

「今手持ちのpartnerのレベル上げをしている最中だぜ。サクッと天下取る為にもちぃと強くなんねーとな」

「あはは、チャンピオンを天下と言う辺り戦国武将だよね」





彼もまた、元就と同じ

ゲームの存在に気付き興味をそそった政宗は元就と同じ様にガサゴソと物色していた。始めはポケモンには興味は無かったが、「あの元就が夢中になるほどだ」と興味が湧き、丁度目に付いたブルーバージョンを手に取り美莉にOK貰いやってみれば、政宗もハマってしまった。恐るべき集中力で最初にプレイしていた元就に追い着き、まるでお互いがライバルの様に張り合いながら進んでいた。四天王をクリアした政宗は図鑑集めはしなくても手持ちを全てMAXにして、元就と同じ様に飽きた政宗はサファイアバージョンを手にしてプレイ開始。しかしどうして元就と同じで同色なのか。最初に選んだポケモンはミズゴロウで着々と進んでいた政宗であったが…





「…いやいやいや、ちょっと待って。お前もか。お前も電気タイプしかいないのか」

「A?聞き捨てならねーな。ちゃんと別タイプがいるじゃねーか」

「ラグラージとルナトーンならまだしも、残りは電気タイプかよ。しかもやっぱりルナトーンレベルはんぱねぇ」






いや、まだ元就よりかは幾分マシな気がするが、彼もまた凄く偏った手持ちポケモンを引き連れていた

やっぱり電気タイプを選ぶ辺り、自分の婆娑羅能力が関係するのだろうか。元就と同じで気に入った電気タイプでもいたのだろうか

では先程と同じで現在の政宗のバッチがハ個目、四天王挑戦前の彼の手持ちは…




ラグラージ Lv:65
ライチュウ Lv:55
ランターン Lv:52
サンダー  Lv:56
サンダース Lv:50
ルナトーン Lv:90..


コイツもか






「…ってちょっと待った。普通にプレイして捕まえられないポケモンがいるのはどうして」

「あぁ、サンダーとサンダースか。コイツらは猿から貰った」

「貰ったっていう表現より脅迫したって言った方がしっくりくるのは私の気のせい?でもなんでまたルナトーンがこんなに…」

「ただの対抗心」

「Σ何の!?」






一体何が彼を動かし、ここまでに仕立て上げたのか。ツッコミ所が満載過ぎて美莉は言葉が出ない。しかし、何処か楽しそうにゲームを進める政宗の姿を見ると美莉は自然と笑みを浮かべるのであった





「Hey美莉、俺はこれから見ててムカつくダイゴ野郎を俺のbestpartnerでフルボッコしてくるぜ。天下は俺のもんだぜ!YaーHaー!」

「が、頑張れ〜。相性悪くても多分ラグラージで勝てるよきっと」






もし、彼の右目な保護者的存在がこの光景を見たらどんな反応を見せてくれるのだろうか。子供の様にはしゃぐ政宗に感動するか、主人としてなっていない!と叱り付けるか…それは各々の想像に任せようではないか

今は主とは関係ない、一人の政宗として、一時の間を楽しませてあげよう





伊達政宗

彼は電気タイプ+@の使い手








しかし手持ちはアンバランスだけどルナトーンがいれば勝てるだろう。けどドラゴンタイプを使わないのは意外だ。美莉はまた、今度はダイゴに合掌をした

終わり
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