「はじめちゃん、最近眼鏡かけてくれなくなったね…」
今の新選組の姿に再臨してから、はじめちゃんは眼鏡をかけてくれなくなった。はじめちゃん、和装+眼鏡もめちゃくちゃ似合ってたのに…まだ一度しか見れてない。はじめちゃん本人の前で残念そうに呟くと、はじめちゃんは気まずそうに視線を逸らした。
「いやあ…マスターちゃんにあんな事を言われた後じゃ、かけにくいでしょ」
「俺、何か言ったっけ」
「言ったよ。…まさか、忘れたわけじゃないよね? 僕を"抱きたい"って言ったこと」
そういえばそんな事も言ったなあ…もしかして、はじめちゃんはあれからずっとその事を考えてくれてるのか。「あー、うん。言った言った」と笑いながら答えれば、はじめちゃんは「マスターちゃんってば軽いねぇ…僕はそれ聞いてから結構真剣に考えてんのよ?」と苦笑いを浮かべてみせる。
「じゃあ…もし次にはじめちゃんが眼鏡をかけてきたら、その時は抱いていいの?」
「んー、まあ…そういう事になるね」
「そっか。今すぐ眼鏡かける?」
「マスターちゃんって見た目に似合わず肉食系だよねぇ…」
「まだかけないよ」って笑って、はじめちゃんは俺の額を軽く小突いた。…そっかあ、"まだ"かけないかあ。それじゃあ、今後に期待しておこうかな。
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