詰め合わせ | ナノ
ネスと海水浴



*ネス視点




「なあ、ネス! 海だよ、海! ほら、すごく綺麗だ!」

「うん、海だね。見ればわかるよ」


太陽に照らされてキラキラと輝く海と同じくらい、キラキラと瞳を輝かせて海を見つめているソラ。今日はソラと二人でサマーズまで旅行に来ていた。本当はソラがポーラも誘っていたのだけど、ポーラは用事があるとかで来れなかったのだ。でも、これはぼくの推測でしかないんだけど、ポーラは用事なんてなかったんじゃないかと思う。ぼくとソラの仲に(多分)感付いているポーラが、気を利かせて二人きりにしてくれたんじゃないか…そう考えてしまう。ポーラはそういうところに気が回る女の子だから。まあ、それを問いただすつもりはないし、多分その事についてポーラも触れてはこないから、推測の域を出ないのだけど。

ソラはぼくの反応に対して「何だよ、冷めてるな。ネスだって本当はこんな綺麗な海を見れて興奮してるんだろ?」と悪戯っぽく微笑んで、ぼくの顔を覗き込んでくる。ぼくは慌てて帽子のツバを掴んで引き下げた。…ぼくもなんだけど、ソラも水着姿なのだ。サマーズには海水浴に来たのだから、水着なのは当然なのかもしれないけど。普段あまり見る事のないソラの半裸姿に照れてしまい、目のやり場に困る。男同士だけど、ぼく達は恋人同士でもあるんだ。恋人のこんな姿に照れるのはおかしくない、普通だ、と自分に言い聞かせた。


「あ。…もしかして、ネスは海よりも俺に興奮してるのか?」


ニヤニヤと笑うソラにイラッとしたけど、ぼくは言い返せなかった。図星だったからだ。ぼくよりも筋肉がついていて男らしい、引き締まったソラの身体。興奮というか、妙に意識してしまってドキドキする。「可愛いな、ネス」とソラはぼくの頭を帽子越しに撫でた。ソラはぼくの水着姿を見ても何とも思わないのだろうか、なんて女の子のような事を考えてしまった。…ぼくももう少し本格的に野球をやろうかな。


「ていうかさ、ネス帽子とったら?」

「あっ」


そう言うが早いか、ソラはぼくの帽子を奪い取る。"とったら?"とぼくに選択肢を与えているようで与えていない。表情を隠す術がなくなってしまったぼくは少し心許なくて、眉が下がる。ソラはそんなぼくに笑いかけ、額にキスを落とした。…ちょっと、ここはビーチなんだけど。ぼく達の他にも人がいるのに。

動揺しているぼくに気付いているのかいないのか、ソラは「前に来た時は旅の途中だったし、のんびりバカンスする暇なんてなかったからな。今日はたくさん楽しもう、ネス」とぼくの手をとって砂浜を駆け出した。ぼくの手を握ったまま海へ向かって走るソラは、ぼくの方を振り返って笑ってみせる。やっぱり、その目は海みたいにキラキラと綺麗に輝いていた。

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リクエストBOXより
MOTHER2で前回の続き的な感じで、幼なじみ恋人攻男主×ネスの甘々夢をお願いします。シチュは二人でサマーズに旅行に来て海でイチャつくみたいな感じで。

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