*四葉成り代わりですが、男主です。夢主はニルスの妹ではなく弟になります。
ノナリーゲーム、沈み行く船…そんな、まさか。今の状況は九年前のあの実験と酷似している。信じたくないし受け入れがたい事だったけれど、あの実験を再現しているのは明らかだった。犯人は九年前の実験の関係者だろうか…ああ、どうしてまたこんな目に遭わなければならないんだ。
「大丈夫だよ」
震えながら兄さんの服にしがみついていたら、兄さんが優しい声で俺に話しかけてくれる。顔を上げると、ちょうど兄さんもこちらを見ていた。…兄さんは目が見えないから、"見ていた"という表現はおかしいか。
「ぼくが傍に居るから」
兄さんは安心させるように「大丈夫、大丈夫」と何度もおまじないのように俺に言い聞かせ、優しく頭を撫でてくれた。…そうだ。九年前と違って、今回は兄さんが傍に居る。きっと、大丈夫だよね…?
「…兄さん」
か細く、今にも消え入りそうな声で兄さんを呼んだ。そんな小さな声でも耳のいい兄さんはすぐに反応を示してくれる。
「うん? そんなに不安なら手を繋ごうか、その方がぼくも歩きやすいからね」
差し出された手をぎゅっと握り締める。離れないように、離さないように…。兄さんと離ればなれになるなんて、もう絶対に嫌だから。大丈夫、大丈夫…さっき兄さんが言い聞かせてくれたように、俺は自分自身に心の中で何度も言い聞かせた。
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九時間九人九の扉でニルス夢
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