詰め合わせ | ナノ
ハン・ジュンギ達に秘密を知られる



「お前の秘密の動画をアップロードしてやるぜ!!」


喧嘩を吹っ掛けてきた奴等と闘っている最中、敵のハッカーが俺に向かって勝ち誇ったような顔でそう宣言してきた。その直後、俺の隣にいたハン・ジュンギが「綾瀬さんの秘密ですか!? 大体の事なら把握しているはずですが、念の為見せてください!」と興味津々といった様子でハッカーに詰め寄る。おい、お前。興味を抱くな。そして何で大体の事なら把握してるんだよ。


「それは…これだ!!」


自信満々でスマホの画面を俺達に見えるようにして、何かの動画を再生するハッカー。その動画は…俺が幸せそうにスイーツを頬張っている動画だった。なっ…な、な、何で…そんな動画が…!? 俺は声にならない悲鳴をあげ、ハッカーの顔面に素早く拳を打ち込む。その場に倒れたハッカーからスマホを奪い取り、データは消去したのだが…この場にいた仲間達の記憶を消去する事は出来ない。最悪だ…俺が大の甘いもの好きだって事は、絶対に誰にもバレたくない秘密だったのに…。

戦闘を終えた後、「何でさっきのが秘密の動画なんだ?」と春日さんは不思議そうに首を傾げてみせる。やめてくれ、頼むからそれについて触れないでくれ。恥ずかしくて死にたくなる。


「綾瀬さんは男性なのに甘いものが好きな事が恥ずかしいんですよ。私の知っている秘密だったので安心しました」


勝手に他人の秘密について説明するんじゃない…というかお前、知ってたのか!? 何で知ってるんだよ、ハン・ジュンギ…! 顔に熱が集まっていくのが自分でも分かった。きっと今の俺の顔は真っ赤に染まってとても間抜けな面をしている事だろう。…駄目だ、しばらく立ち直れそうにない。


「う、うるさい…俺が甘いもの好きで悪いか!?」

「好みなんて人それぞれだろ? 気にする事ねえよ!」

「そうそう! それに、最近はスイーツ好きな男も結構多いのよ? あっ、そうだ。今度、私がオススメのスイーツ買ってきてあげるわね!」


春日さんと紗栄子さんが慰めの言葉をかけてくれる。その優しさが今はつらい。少し遠くにいた足立さん達が生暖かい眼差しで俺達のやり取りを見ている。そんな目で見ないでくれ…。ハン・ジュンギは「赤面した綾瀬さんも愛らしいですね…」とスマホをこちらに向けて構えていた。おい、撮るな馬鹿。

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