詰め合わせ | ナノ
リンクを勇気づける



ついさっきまで、いつも通りの平和な日常を送っていたのに…どうしてこんな事になってしまったのだろう。リンクは何処までも続く大海原を見つめ、険しい表情で考える。自分の幼馴染みでもあり、それと同時に恋人でもあるソラと、妹のアリル…二人から誕生日を祝われたのはほんの少し前の事だった。そして、リンクの目の前でアリルが巨大な怪鳥に連れ去られ、日常が崩れ去ってしまったのも…。

アリルを助ける為、リンクは祖母をプロロ島に残して海賊船に乗り込んだ。アリルは無事でいるだろうか、一人置いてきてしまった祖母は大丈夫だろうか…様々な思いが頭の中を駆け巡り、リンクは不安で胸がいっぱいになる。身に纏った緑の衣を握り締め、唇を噛み締めていると、不意に後ろから抱き寄せられた。


「リンク、一人で全部背負い込もうとするなよ」


リンクを腕の中に閉じ込めて耳元でそう囁いたのはソラだった。彼は"恋人を一人で行かせるわけにはいかない"と、危険を承知でリンクに着いてきたのだ。ソラの胸に背中を預け、リンクは自分よりも背の高い彼を見上げる。ソラはリンクと目が合うと、優しく微笑んでみせた。普段は恋人である自分の前でもあまり表情を変えないというのに、笑うだなんて珍しい。リンクを安心させる為なのだろうか、ソラは笑みを浮かべたままリンクの頭を帽子の上から撫でた。


「アリルならきっと大丈夫だ。必ず二人で助け出そう」


何の根拠もない"大丈夫"も、ソラが言うと本当に大丈夫のような気がした。胸の中の不安が少しずつ萎んでいく。そうだ、自分は一人じゃない。ソラが支えてくれるんだ。リンクはソラを振り返って大きく頷き、ソラに思い切り抱き着いた。


「そこの二人! 私の船でイチャついてんじゃないよ!」


その様子を見ていたらしいテトラの怒号が飛んできて、リンクはソラと顔を見合わせて小さく笑う。…ソラが隣に居てくれるなら、大丈夫。絶対にアリルを助け出して、プロロ島で待つ祖母の元へ帰るんだ。リンクはそう決意して、ソラを抱き締める腕に力を込めた。

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リクエストBOXより
・ゼルダの伝説風のタクトで攻主で幼なじみで恋人なクール系男主×リンクの甘々夢をお願いします。男主とリンクは一緒に冒険に出ている設定で、シチュは本当に妹を助け出せれるか不安になるリンクを普段はクールな男主が、優しく勇気づける感じで。
・スマブラで攻男主×トゥーンリンクの甘夢をお願いします。幼なじみ兼恋人設定で二人がひたすらイチャイチャする感じで。
(※スマブラではないですが、まとめて書かせていただきました)

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