小狐丸と明石国行と獅子王と浦島虎徹はこんのすけが羨ましい
「こんのすけ、美味いか?」
「はぐー! はい、コクがあって美味ですね!」
「そっか、それならよかった」
審神者部屋には主とこんのすけが居て、主がこんのすけに油揚げを与えている。部屋の外からほんの少し襖を開け、その様子をこっそりと覗き見る四人の姿があった。
「何が"はぐー!"だよ、主に気に入られようとかわいこぶってんじゃねぇよ…!」
「ああ、ぬしさま何故ですか…? そんなに狐を愛でたいのなら、この小狐が居るではありませんか…!」
「ええなあ、主はんに撫でられて。…あの管狐の何がええんやろか」
「(三人とも怖いなあ…)」
獅子王、小狐丸、明石、浦島の四人だ。浦島以外の三人は何やら小声でぶつぶつと呟いて黒いオーラを放っており、浦島はそんな三人に少し怯えていた。
「どうにかしてあの管狐を主から引き剥がせねぇかな…」
「斬ればええんとちゃいますのん?」
「そ、それはやめた方がいいんじゃ…」
「…ここは、私の出番か」
獅子王、明石、浦島が話す中、小狐丸は襖を開いて審神者部屋へと乗り込んでいく。出遅れた三人は隠れてその様子を見守る事にした。
「失礼致します。ぬしさま、こんのすけばかり狡いではありませぬか! 私の事も愛で――」
「何だ、小狐丸も油揚げ欲しいのか?」
「欲しゅうございます!」
主の問いかけに小狐丸は間髪入れずに答え、主から大量の油揚げを貰うと上機嫌で部屋から出るのだった。
「って、何戻ってきてんだよ! 管狐引き剥がすのは!?」
「はぶははへにひをほはへ…」
「食いながら喋んな! 何言ってんのか分かんねぇよ!」
「もう方法考えるの面倒やし、斬りましょか」
「斬った後の方が色々面倒になるだろうが!」
浦島以外の三人は小声でそんな会話をしている。浦島は少し考えた後、揉めている三人に気付かれないよう審神者部屋の襖を開けて中に入った。
「主さん!」
「浦島か、どうかしたのか?」
「主さんって、もしかして動物好き?」
「ん。そうだよ」
「じゃあ亀は?」
浦島は自分の肩に乗っていた亀吉を手に乗せ、主に見せてみる。油揚げを頬張るこんのすけを撫でながら、主は静かに頷いた。
「亀も好き。可愛いよな、お前の亀」
「よかったら触ってみない?」
「いいのか?」
主はこんのすけを撫でるのをやめ、浦島の手に乗っている亀吉を撫で始める。どこか気持ち良さそうに指に擦り寄ってくる亀吉に、主は小さく笑みを浮かべた。
(あっ、いつの間にかアイツ抜け駆けしてるし!? あーもう、お前らのせいで出遅れたじゃねぇか!)
(自分らのせいちゃいますし…)
((もぐもぐ…))
(そしてお前はいつまで食ってんだよ!)
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こんのすけを可愛がる主に対し嫉妬する刀剣
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