「今日はぽかぽかしてていい天気だなあ」
「そうだね」
小夜とそんな会話をして、オレは仕事の手を止める。…あー、何か眠くなってきた。
「こんな日は昼寝するに限るよなー。…よし、一緒に寝るか」
「いいよ」
「待て。平然とサボろうとするな」
布団を出そうと立ち上がったところで国広に止められてしまった。小夜と国広はオレが仕事をサボらない為の見張り役だ。…国広も賛成してくれるかと思ったけど、そう上手くはいかないか。
「昼寝がしたいなら、まずは仕事を終わらせる事だな」
「休憩も必要だって」
「あんたの事だから休憩と言いつつそのままサボるつもりだろう? 見張りが居るというのに堂々とサボろうとするあんたが一番問題だが…見張り役なのに見張りをする気がないあんたも問題だ、小夜左文字」
国広がオレから小夜へと視線を移すと、小夜はせっせと布団を敷いているところだった。国広が怒ったように「おい!」と声を荒らげる。
「…何? 布団なら敷けたよ」
「何、じゃないだろう…! 何の為の見張り役だと思っているんだ…!」
「でも、主と一緒にお昼寝したいから…」
「よし、寝よう小夜」
「おい!!」
うわ、ビックリした。国広ってこんな大きな声も出せるんだな…。国広は説教をしようとしたようだったが、オレと小夜が昼寝する気満々なのを見て諦めたように溜め息を吐いた。
「…勝手にしろ」
「ん。じゃあ国広、こっち来て」
「は?」
小夜と一緒に布団に横になり、オレは国広に向かって手招きする。目を丸くする国広に、オレは自分の隣のスペースを指差した。
「三人で川の字で寝よう」
「…狭いだろ」
「狭くなかったら寝てくれるんだな」
「そういう意味で言ったわけじゃない…!」
なかなか来てくれない国広に痺れを切らし、オレは国広の腕を引っ張って布団の中に引きずり込んだ。
「な、何をするんだ…!」
「さて、二人とも寝るぞ」
「うん」
「…はあ。起きたら仕事の続きをしてもらうからな」
「分かってるよ。おやすみ、二人とも」
小夜と国広がオレを挟むように川の字になって横になる。すぐに睡魔が襲ってきて、オレはゆっくりと目を閉じた。眠りに落ちる瞬間、両側から「おやすみ、主」という声が聞こえた気がした。
--
アンケートリクエスト
初刀組で仲良くお昼寝
prev / next