「おはようございます、ぬしさま!」と布団で寝ていたオレにダイブして起こしてくれた小狐丸。起こしてくれるのは嬉しいけど、もう少し優しく起こしてくれるとありがたいな…。そんな事を思っていたら、小狐丸はオレの身体に鼻を近付け、くんくんと匂いを嗅ぎ始めた。えっ、なに?
「…匂いますね」
「えっ!? オレ臭かった?」
ちゃんと風呂入って寝たんだけどな…。自分で匂いを嗅いでみたけど、特に何も匂いはしなかった。ちょっとショックを受けていたら小狐丸は慌てたように首を左右に振ってみせる。
「そのようなつもりで申したのではありません! ぬしさまの匂いは油揚げにも劣らぬ良い匂いでございまする!」
「そ…そうか」
油揚げと比較されるってどうなんだろうか。…まあ、たぶん小狐丸は誉めてるつもりなんだろうけど。
「…ただ」
「ただ?」
「ぬしさまに他の刀の匂いが染み付いているのです…! この小狐、例えぬしさまの匂いが臭かろうと構いませんが、他の刀剣の匂いを漂わせているのは我慢なりません!」
「やっぱりオレって臭いの?」
「例えばの話です!」
小狐丸は不満そうに口を尖らせ、眉を寄せている。獅子王とか明石辺りによく抱き着かれるし、もしかしたら彼らの匂いがオレに移ってるのかもしれないけど…そんなに他の刀剣の匂いがするが嫌なのだろうか。
「そんなに嫌なのか?」
「嫌というより不快です」
「そこまで?」
小狐丸は「こうなっては、私の匂いで他の刀の匂いを消すしかありませんね…!」と、いまだ布団で横たわったままのオレにぎゅうぎゅう抱き着いてきた。…あれ、小狐丸ってオレを起こしに来てくれたんじゃなかったっけ。これじゃ起きられないんだけど…?
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アンケートリクエスト
小狐丸が夢主から他の刀剣の匂いがすると不快発言
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