刀剣乱舞 | ナノ
山姥切国広は三日月宗近を押し入れで発見した



「この本丸では、主と共に押し入れで過ごす事が流行っていると聞いたぞ」

「流行ってません」


おい、誰だ。ここに来て間もない純粋なおじいちゃんに変な事を吹き込んだ奴は。おじいちゃんこと三日月宗近はにこにこと笑いながらオレの手を掴んだ。


「…え、何?」

「はっはっは」

「いや、"はっはっは"じゃなくてさ三日月。…あのー三日月さん、聞いてる?」


三日月はオレの手を掴んだまま、部屋の押し入れへと向かう。ちょ、待って…おじいちゃん力強いな! オレが戸惑っているうちに、三日月はオレを引っ張って押し入れへと入った。襖もきっちり閉じた押し入れは暗く、三日月の顔がよく見えない。


「おお、暗いな」

「何で楽しそうなんですかね…」

「押し入れでは何をして過ごすのだ?」

「いや、別に過ごしたくて過ごしてるわけじゃないからな…。もういいだろ、早く出よう」

「ん? 何か言ったか、主よ。最近耳が遠くてな、よく聞こえなかった」

「聞こえないフリしないの」


三日月は楽しそうにまた「はっはっは」と笑っている。笑って誤魔化そうとしないでくれ。思わず溜め息を吐いたところで、外からドタバタと激しい足音が聞こえてきた。…あー、嫌な予感。


「獅子王…どうせ、そこに居るんだろう?」


部屋の襖が開いた音が聞こえ、その直後に怒りを含んだ近侍の声がした。また喧嘩したのか、国広と獅子王のヤツ…本当に仲悪いよな。
足音が近付いてきて、押し入れの前で止まった。そして勢いよく押し入れの襖が開かれる。


「おい、獅子…王…!?」


襖を開け、怒鳴ろうとしていたらしい国広は驚愕したように目を見開いた。押し入れに居るのが獅子王だと思ってたのに、実際は三日月が居たらそりゃあ驚くよな。まさか獅子王以外でこんな事する奴が居るなんて思ってなかっただろうし。


「あ…あんた、ここで何をしてるんだ…?」

「ここでは主と押し入れで過ごす事が流行っているのだろう?」

「そんな流行りはない…!」


国広が"何で否定しなかったんだ"とでも言いたげにオレを睨んでくる。いや、否定したよ。すぐに否定したんだよ、オレは。三日月さんは聞いてくれなかったけど。国広が半ば強引にオレと三日月を押し入れから引きずり出した後、何故かオレ一人が国広から説教を受ける事になったのだった。

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他の刀剣から色々聞いてるらしい三日月に流行っているのだろうと押入れに連れ込まれ、衝撃を受ける夢主。察知して、相手は獅子王だろうと思って開けた山姥切激震!!

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