僕と君の距離(赤司様誕生日→黒+赤?)
今日は赤司君の誕生日だ。
もちろん忘れる訳がない、忘れるわけがないのだ。
僕は彼−−赤司君とお付き合いしている。
初めは彼に才能を見いだされ、憧れていただけだった。
ただ、そばにいて、笑い合えればいいと思っていた。
それがいつの間にか…。
まっ、まぁ詳しくは恥ずかしいので僕からは言えません。
そして僕は今洛山高校の正門前に居る。
「赤司君、居ますかね…」
普段なら僕は誠凛の体育館にいて火神君や先輩達とバスケをしている時間だ。
昨日キャプテンにお願いして今日の部活を休ませてもらったのだ。
もちろん理由は言わなかったが、きっと察してくれただろう…カントクが。
「さて、来たはいいけどどこに…」
赤司君には今日僕が洛山に来ることを伝えていない。
ちょっとしたサプライズのつもりだ。
そんなことをしても彼の帝王の目に見抜かされてしまっているような気がするが。
とりあえず体育館に行けば会えるだろう、そう考え僕は歩き出した。
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「…どこでしょうか、ここ」
歩き続けて一時間は経っただろうか。
未だ体育館にはたどり着けていない。
「赤司君」
ふと名前を呼んでみる。
当然返ってくるなんて思ってはいない。
声は空に消えて飛んでいく…はずだった。
「テツヤ?」
どうしてここに、とでも言いたそうな色が違う彼の目。
光に照らされてすごく綺麗だと思った。
「あ…赤司君?どうしてここに」
「それは僕のセリフだ。気のせいかと思って来てみれば本当にいるし」
「えっと…」
「会いたいと想う気持ちが強すぎて幻聴かと思ったよ」
「あの…」
「それでテツヤ、どうしてここにいるんだ?しかもこんな暗いところに」
赤司君は今日が何の日なのか気づいてないのだろうか。
いや、もしかしたら気づいてて気づいてないふりをしているかもしれない。
などと一人考えていると。
僕の手に暖かい彼の手が触れた。
「とりあえずここは冷える、体育館に入ろう。」
そういって僕の手を引いていく。
手を繋げたのが嬉しくて無意識に強く握ってしまう。
「まだみんな練習しているけど気にするな」
どうやら僕が居た場所は体育館の裏だったらしい。なぜ気づけなかったんだろうか。
体育館の舞台に座っていると。
「ほら」
「ありがとうございます」
ふいに彼から差し出されたのは暖かいお茶。
近くにある自販機で買ってきたのだろう。
まだ熱いくらいだった。
「それでテツヤ、どうしてここにいるんだ?」
…結局はそれですか。
「僕は…」
気づいているのなら抱きしめて欲しい。
久しぶりに会ったのだからもっと別の話がしたい。
やりたいことはたくさんある。
だけど今回は彼にきちんと「誕生日おめでとうございます」と言ってプレゼントを渡すために来たのだ。
「テツヤ?」
彼の手のひらに小さな箱を置く。
とても不思議そうだ。
「演技ですか?それとも…」
僕は額に軽くキスをした。
ここが体育館で洛山のメンバーが練習中で目立つことなんてもうどうでもいい。
ちゃんと言うんだ。彼に。
「赤司君、お誕生日…おめでとうございます」
良かった、言えた。
「っ!テツヤ!」
倒れそうな勢いで抱きしめられる。
「わざわざこれだけの為に…」
「これだけって…赤司君だからです。」
僕が黄瀬くんとかにここまですると思いますか?笑って尋ねると彼は笑顔で僕以外にしたらオヤコロなどという恐ろしいことを言い出した。
「そんなことしませんよ、絶対」
そういって僕は彼の背中に手を添える。
場所なんて関係ない。
僕と君の距離が近くなれればそれでいいのだから。
「ありがとう、テツヤ」
そういった彼の耳は赤く染まっていた。
普段とは違う時間の過ごし方はとても幸せなものだった。
赤司様誕生日おめでとう!
私の駄文じゃ良さを伝えきれない…
たくさんお祝いされてね!
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