小説 | ナノ


 星に願いを (黄黒)



今日の撮影は昼間で終わる。

それも嬉しいがもっと良いことが今日はある。

撮影が終わり、控え室へ。

今日の撮影は人気の女性モデルとだった。

この人とは何回か一緒に仕事をしている。

別に仕事上、問題がある人ではない。

だが、プライベートとなると話は別だ。

「ねぇ、黄瀬くん。この後ご飯一緒にどう?」

会うたびこうやって声をかけてくる。

毎回断ってるんだからいい加減諦めてほしい。

もちろん今回も用事があるという一言で切り抜ける。

しかしそれは間違ってはいない。

この後用事があるのは本当だ。

「黒子っち!」

人気のない公園で彼は静かに本を読んでいた。

「何ですか、黄瀬くん。こんな時間に」

そう言われるのも無理はない。

今さっき急に電話で彼を呼び出したのだから。

彼は今日がどんな日なのか知らない様だ。

「ごめん!でも黒子っち、来てくれたんスね!」

「今日は学校が休みだったから来てあげただけです」

そう、今日は誠凛が開校記念日で休みなのだ。

部活はカントクが風邪で休み、黒子っちの先輩達がお見舞いに行っているらしい。

珍しいこともあるものだ。

「で、何をするんですか?」

「まだ内緒っス!とりあえず移動するっスよ」

目的はここではない。

彼の冷たい手を引いて俺はとある場所へと向かった。

「ここっスよ」

30分くらい歩き着いた場所はとある丘。

最近見つけた俺のお気に入りの場所だ。

「…何もないですけど」

彼がそう思うのも無理はない。

確かに今は何もないけれど夜になれば分かる、そう伝えると。

「じゃあ、ここで夜まで待つんですか?かなり時間ありますけど」

そんなことは想定内だ。

俺のバカな頭をフル活用して考えたプランなのだから。

「近くにマジバあるんスよ、そこで時間まで待たないっスか?」

マジバと言った瞬間、彼がピクリと反応する。

…本当に好きなんスね、バニラシェイク。

「早く行きましょう」

「わわっ、黒子っち!急に引っ張らないで!」

半分引きずられるようにしてマジバに入り、夜になるまで待った。

「真っ暗っスね〜」

今日は天気もいい。

これなら綺麗に見れそうだ。

再び俺らはあの丘にやってきた。

周りに人はいなくて2人だけのようだ。

「黒子っち」

「なんですか」

「星、綺麗っスよ」

「本当ですね」

チラリと彼を見てみるとバッチリ目が合ってしまい、恥ずかしくて赤くなる俺に対して、彼はくすっと笑ってくれた。

それが嬉しくて。

つられて笑ってしまう。

「流れ星」

「え!?どこスか!」

「もう消えてしまいましたよ」

消えた…。

うぅ…と嘆く俺に残念でしたねと声をかけてくれる。

せっかく考えた願い事が…。

そういえば。

「黒子っち、なんてお願いしたんスか?」
少しだけ気になる。

まぁ彼のことだ。

多分楽しくバスケが出来ますようにとかだろう。

そんなふうに思っていた。

「ボクは願い事なんかしていませんよ」

え?

「なっ…なんでっスか!?あ、時間がなかったからとか?」

「違います」

「じゃあなんで…」

「もう叶っているので」

ますます言っている意味が分からない。

「ボクの願い事は黄瀬くんと一緒に居ることです」

「黒子っち!」

本当に?嘘じゃない?

嬉しい。

「俺も、黒子っちと一緒に居たい」

願いは叶ったよ。



半分無理やり終わらせました(笑)

タイトルと内容が合ってない…

いつものことか←






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