小説 | ナノ


 どうしたら (黄瀬独白)



欲しいものはすぐに手に入れられた。

前はそう。

じゃあ今は?

今は…無理かもっス。

どんなに手を伸ばしても、どんなに叫んでも、どんなに追いかけても。

君の心には届かない―――。

…ppppp

いつもと変わらぬ朝。

普通に起きて、学校に行って、部活して…。

ただそれだけなのに、君がいないと思うだけでこんなにも心が苦しくなる。

前までは知らなかった感情。

あぁこれが恋なんだって。

だから同じ高校に行きたかった。

でも君は誰にも言わずに消えてしまった。

俺の前から、チームの前から。

どうして?そんなことばかり考えていた。

高1の練習試合。

キセキの世代ではなく黄瀬涼太として戦う第一戦。

相手は予想もしなかった人。

あの日、俺らの前から姿を消した君。

彼は中学の頃よりもずっと楽しそうで、複雑な気持ちになった。

俺は彼が好きだ。

だが彼は?

彼はどうなんだ?

これは俺の一方通行な恋。

知られてはいけない、だけど知って欲しい。

気づかないで、だけど気づいて欲しい。

そんな矛盾だらけな俺だから。

呼んでも、叫んでも、届かない。

否、届いて欲しくない。今はいい、そう、いまは。

いつか、君に言えるだろうか。

そのときはちゃんと、君の心に届くかな。

いや、届くように伝えるだけだ。

だから今は君との初めての試合をやるだけ。

確かあの頃から彼は何事にも全力で。

無理だと思うことをやってしまう。

だったら。

俺も本気ださなくちゃっスよね。

待ってて。

きっと、伝えに行くから。

その時君の隣には誰もいないのを願って。








((遅かったですね、黄瀬くん))








そう言って彼は笑っていた。

やっと、やっと。

――届いた。



私の初恋話風のお話。

いやハッピーエンドではなかったんですけどね。

多分好きになった理由、その人は二次元を理解してくれる気がしたから?かな。

あと神谷さんに顔が似てたから←

((これは親友にも言ってないよ!笑))







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