○若王子先生の場合

「やや、苗字さん。こんな所でどうしたんですか?」
「えっ、あああ先生見ないでこっち来ないで!!」
「あ、えっとすみませ……苗字、さん?」
「いやあの本当今不細工なんで!見ないでください!」
「……じゃあ、先生見ないから。話はしてくれる?」
「……はい」
「ありがとう。……どうして泣いてるんですか?」
「……つらくて」
「つらい?」
「その内、先生がどこか、私の届かない所に行っちゃうかもしれないって思ったら……なんか、涙が」
「……」
「すいません、私凄く変なこと言ってますよね……」
「ううん。……大丈夫です」
「え?」
「僕は、君達を置いたままどこかにも行ったりしませんよ」
「……あ、はは。ですよね。」

(君達、なんだよね)
(不安な思いにさせて、君に何も伝えられないまま)


怒られたら反射的に謝りそうなのに大事な所で何も言えなくなる先生マジ天使。



○アルケイン様の場合

「どうぞ」
「……」
「中々上物のワインですよ。君の口に合えば嬉しいです」
「……」
「今日は月が紅いですね。こんな夜はやっぱりワインが合います」
「……将軍は、いつだってワインじゃないですか」
「まあそうですね」
「意味ない……」
「いえ、ありますよ」

ほら、やっと君が笑ってくれた。

(そんなにあなたが優しいから、また私は泣くのです)


紳士アル様は何で泣いてるとか聞かなそう。
似非紳士でも美味しいけど。


○セブルスの場合

「ひっく……えぐっ」
「……おい」
「ぐすっ……うう」
「おい!」
「ひっ!?ななな何何なに、えっセブルス君!?ど、どうして……?」
「……授業が始まっているのにどこかの馬鹿がいつまでも姿を見せないでスリザリンの名を刻一刻と落としているからだ」
「……ごめんなさい」
「謝るくらいなら最初からするな」
「はい……」
「……」
「……えっと、じゃあ、行く?」
「良い」
「え」
「そんな泣き腫らした顔の奴と歩けるか」
「え」
「分かったら早く泣き止め!」
「あ、はい!ごめんなさい!」
「……」
「……あ、あの、じゃあ先行っててい「黙れ」……はい」
「……」
「……」
「……なぜ、」
「え?」
「なぜお前は泣いてる」
「え……なぜって……」
「……」
「……わからない」
「何だと?」
「色々ぐしゃぐしゃしていて、混乱してて……気づいたら、泣いてた」
「……」
「……呆れてる?」
「ああ」
「だよねー……」
「……次からは、混乱する前に言葉にしろ。少しくらいなら聞いてやる」
「……セブルス君、優しいよね」
「黙れ」
「はい」


言える筈、ないじゃんね。



途中某偏屈弁護士と口調が混じってしぬかと思いました。


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