「……何でお前がいるんだ」「コイツが一人でいたからだよ」

笑って、ルカ君が後ろから私の頭の上に顎を載せた。正面に立つ設楽先輩が、私の頭上を睨みながら眉間に皺を寄せる。背の高い二人に挟まれて、私は動けないままでいた。

「セイちゃんさぁ、女の子との待ち合わせで遅れてくるとか最悪だよ。お前もそう思うよね?」「え、私?」「おい、待ち合わせの時間はまだだろ」「そういう問題じゃないんじゃない?」

俺だったらお前のこと、待たせたりしないのに。そんな言葉と浅い笑い声が、頭を通してダイレクトに伝わってくる。よく考えたら、何でルカ君は私の頭の上に頭を載せているんだろう。傍から見たら凄く変な図じゃないだろうか。


「っ、とりあえずお前は離れろ!」「どうしよっかな」「……ル、ルカ君、道行く人の視線がちょっと辛いから……」「ちぇ」

思いの外あっさり離れてくれたことに、心の奥で安堵する。しかしそれもつかの間、自然な動きで左手を繋がれて心臓が飛び跳ねた。突然の出来事に、設楽先輩が目を丸くする。

「おい、何やってるんだ!」「手繋いでる」

ね、と横に回ってきたルカ君が首を傾げてみせる。いや、「ね?」じゃない。ちょっと可愛かったけど。振り払うことも出来ずに呆然としていると、設楽先輩がつかつかと歩み寄ってきて、ルカ君に握られている方とは逆の腕を掴んだ。

(……え?)

左手はルカ君、右腕は設楽先輩。
何で私、両側の自由を奪われているの。

「こいつの手を離せ。そのままどこかへ行け」「セイちゃんが離したら?」「何で俺が離すんだ!この場で部外者なのはどう考えてもお前だろ!」「細かいこと言う奴は嫌われるよ」

……とりあえず。
いい加減、私の頭の上で喧嘩するのは止めてくれないかな。



(ねえ、お前はどう思う?)(正直に答えろ!どっちが邪魔だ?)(とりあえず両方離してください)







捏造三角関係第四段、設楽先輩と琉夏。
プレミアムは未プレイなのですが新しい△関係モードの組み合わせとか出来ていないですかね!?
うんきっとできていないけど

拍手ありがとうございました!







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