その名も恋な訳ですよ




最近ダメだ。なにがダメって、勉強に身が入らない。今まではこんなことなかった。風邪をひいた時だって、次の日が好きなアーティストのCD発売日の時だって、長期休暇の時だって、障子越しに清水の視線を強烈に感じる時だっていつだって集中力を切らすことなく勉強出来ていた。なのに最近は自分の部屋の机の前に座っても一向に集中出来ない。イヤホンで外部からの音をシャットダウンしてもダメ。落ち着かずにシャープペンシルを放り投げてしまう。だから最近は武藤家もとい徹の部屋にお邪魔することが多くなった。徹の部屋は何故か集中できる。徹が近くにいれば集中できる。しかし一旦徹がどこかに行ってしまったりすると集中力はがくりと落ちるし、更には徹に会えば会うほどにますます自分の部屋では勉強できなくなってきている気がする。


「…で、何故だろうと俺に訊きに来た訳か?」

「ああ、俺なんか変なのかな」

「ちなみに今夏野はどうなんだ」

「…落ち着くよ、やっぱり徹ちゃんといると不思議と落ち着くし、安心するっていうか…」

「………なぁ、夏野それ本当に分からないで言ってんのか?」

「???」

「夏野って本当意外と…うん」






不思議そうな顔に涙でそう






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