[水希視点]








私が芸能界に入ったのは三歳の頃




最初はおもちゃのCMから始まり、
六歳の頃に出演したドラマが大ヒットし
一気に青峯水希の名前が広がった。


そこからトントン拍子で仕事が増え
教育番組のレギュラーやランドセルのCMなど
ドラマを見ていない同年代の子にも
自分の存在が知られる程知名度は上がっていた。



学校中にチヤホヤされ家に帰れば
大好きな両親から仕事の事を褒められ、
とにかく毎日が充実していた




完全に天狗になっていたのも事実、

自分には才能がある、天才なんだって思ってた。

















しかしそんな考えは直ぐに無くなる










小学校の高学年に上がると、
とあるオーディションを
受ける様に事務所から提案をされた




それは有名な舞台監督が手掛ける
長期公演する舞台で、出演を務めた子役は
将来を約束され大出世できると言われた程。












水希「私知名度もあったし
天才子役って言われてたから
そりゃーもう、滅茶苦茶自信あったわけよ」












オーディションを受けに来てた子達も
青峯水希がいるなら絶対に
自分は受からないって言ってた位に
















けど、




水希「監督の前でセリフを言ってさ、
自分でも納得の出来だったんだけどね。

結果、皆の前で今まで言われた事の無い位
ボロクソに指摘されて、
オマケに叱られちゃった訳」












すぐにあぁ、自分は才能なんて無かったんだ
今まで運が良かっただけだったんだ。
ってハッキリと自覚させられた














水希「それがキッカケで凄く中傷されて、
ドラマで知名度が上がったのは出演してた
女優さんや俳優さん達が凄かっただけ。

それに乗っかって今まで色んな仕事が
出来てたとか言われちゃってさ、
自分で勝ち取ったものじゃないとかまで」














そんな言葉を耳にする事が増えてきて



恥ずかしくて、



それと同時に自分が情けなくなった。
















水希「まぁレッスンは行かなくなったし、
そのまま事務所も辞めた」




切原「…」



水希「冷静に今思えば自分を知れた
良いキッカケだったなって感じ」

















それから中学に入学するも殆ど引きこもっていた

そんな私を心配して、中学3年に上がる時
環境を変えよう、と家族と共に神奈川へ。


















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