(アリス)

あるところに、森に住んでいる一人の魔女がいました。魔女は自分の作った人形たちと、小さな家で暮らしていました。

魔女はある日、森にやってきた一人の女の子に出会いました。彼女は不老不死を求める小さな女の子でした。

魔女はその女の子とともだちになりました。女の子は次の日から、魔女の家に遊びに来るようになりました。

魔女はその女の子が来ると何故か嬉しくなることに気づきました。それがどうしてかはわからないけれど、女の子とのお茶会は人形といっしょの時よりも楽しいものでした。

女の子は時々、女の子のともだちの話をしました。それは魔女の知っている相手だったり、知らない相手だったりしました。魔女は女の子とする会話の中で、その話だけは苦手でした。

ある日、女の子がやってこない日がありました。魔女は一日中、女の子に何かあったのではないかと心配しました。結局次の日に聞いたところ、とある異変に巻き込まれていたということでした。魔女は女の子が無事だったことに安堵しながら、何も言ってくれなかったことに苛立ちました。

魔女は女の子と出会ってから、自分が彼女のことばかり考えていることに気がつきました。それは初めて感じる気持ちでした。どきどきして何だか切なくて、魔女にはそれが何かわかりませんでした。誰かに聞こうと思ったけれど、人形としか話したことがない彼女には、誰に聞けばいいのかわかりません。

魔女がモヤモヤとした気持ちを抱えていたある日、彼女の家の近くに妖精たちを見つけました。彼女はとにかく誰かに話を聞きたかったので、その妖精たちに相談してみようと思いました。

「どきどきで、切なくて、きゅんきゅんとする?」
「その子といると楽しくて、その子のことばっかり考えちゃうんですか」
「ねぇねぇ、プリズム、メルラン。それってさ………」
「アリスお姉ちゃん、それはね」
「その子のことが、好きってことだよ!」
「いやー、恋ですねー」
「恋ですなー」
「こ、恋、……なの…?」
「いえーーす!」

魔女は恋というものがわかりません。昔、魔女にはとても好きな人がいました。でも今、女の子に対して感じる「好き」は、あの人への「好き」とは違うものです。

だから魔女は明日、女の子がお茶会に来てくれたら、聞いてみようと思いました。
この気持ちは何なのか、恋って一体何なのか。――そして、出来るなら。

「ま、魔理沙っ!大事な話が、あるの!」


あの子に好きって、言いたいな。

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