暑い、あつい。
雷門の奴らが沖縄に来ていると聞いて沖縄へ駆け付けた俺は、奴らにばれないように少し離れた所から観察をしていた。しかし炎天下の中ただ黙っているというのは辛く、灼熱の炎を語る俺も流石にバテてきた。なんだってこんなに暑いんだ。長袖長ズボンを着てきた今朝の自分を恨みたくなる。
バテて集中力も欠けてしまった俺は、ふらふらと散歩を始めた。


「行き止まりかぁ…」

何かの物置場だろうか、行き止まりに俺は足を止めた。うーん、日陰が涼しい。そんなことを考えながら立たずんでる所だった。

「きみ…」

背後から、低い男の声が聞こえた。なんだ?誰かいるのか?そんな気配感じなかったけど…振り向いてみればそこにいたのは中年だろうか、小太りの男だった。白いTシャツが鈍よりとした色になるほどびっしょりと汗をかき、肩で大きく息をしていた。

「…なんか、用すか?」
「好都合、だなぁ…自分から、こんな所に 来るだなんて…へへ…」
「…?」

不機嫌にさせるには十分な不快さだった。びっしょりと汗をかいたその姿だけでも気持ちが悪いのに、ぶつぶつと独り言を言いながらニヤニヤと一人で笑っている。不気味だ、気持ち悪ィ。無意識に眉間を寄せる。

「きみ…この辺の子じゃ ないよね…?可愛いね…」
「は?っちょ…なん…」

男が、じりじりと少しずつこちらへ近付いて来て、何か危機感を感じた。なんか、危ないヒトかもしれない。多分 グラン以上に。逃げる間もなく男の肉の付いた汗ばんだ手が俺の口を塞いで、建物の隅へと追いやられた。近付いた男は息を荒く吐いていて、俺を上から下まで舐めるようにまじまじと見た。情けない事に脚も腕も少しも動かない。やばい、これ、あれだ、フシンシャだ。

「フヒ、あ、暴れないでよ?きみ、凄く可愛いから…あとをつけてたんだけど、フフ、肌白いねぇ…」

するりと、男の手が服の中へと侵入を始めた。じめじめとした男の指が、汗ばんだ俺の腹を滑るように撫でる。鳥肌が立ってとまらない。あぁ白くてすべすべだ、可愛い、可愛い。そう言う男が俺の首に顔を埋め、べろりと舐めた。俺は、情けないけれど声も出せない。脚も腕も、少しも動いてくれなくて。気持ち悪い、気持ち悪い。

「ふぅっ…うう、ふう…っ!」
「あんまり、時間もないしねぇ…フフ」

そういって男は俺の下着ごとズボンを下ろした。ゴクリと唾を飲む男が、とても、とても怖く思った。なに、なにされんの。こわい、