晴矢が私の隣に座って、太股に手が触れて、視線が向けられて、腕が 私の首に絡まって、晴矢の唇が、近付いて。私は晴矢にされるがまま従って、キスをした。舌を絡ませながら晴矢が私のワイシャツのボタンに手をかけて、一つずつ丁寧に、器用にボタンを外して脱がせる。
晴矢の手が、止まる。

「なんだよ、これ」

細い指が首元をなぞった。そこには紅い アト。晴矢は眉間に皺を寄せて、私を見た。瞳が不安気に揺れている。私は、ただただその瞳を見詰めた。

「お前、浮気してるのかよ」

晴矢が、私の腕を掴む。浮気してるんだろ、と、淡々とした口調で晴矢が言った。確信したかのような強い口調で、けれど、どこか悲しそうに。

「していないよ」
「じゃあ、このアトは何だよ」
「わからない」
「嘘つき、浮気したんだろ」

晴矢の爪が、無意識に私の腕を引っ掻いた。痛い。きっと血が滲んでるだろう。
君は、何をそんなに悲しんでいるんだろう。何故そんなに、泣きそうな瞳で私を見るのだろう。私はいつも此処にいるというのに。何が、不安なんだろう。

「私は、此処にいるよ」

私だって、君のそんな顔見たくないんだ。でも私に何が出来て、何をすべきかがわからないんだ。だって、わからない、こんなの。


「私には、君だけだよ、君にも私だけでしょう?」
「…うん」

「ちゃんと 愛してるから、安心して 眠っていいよ」


エスカレートしていく。けれど、私には対処法がわからない。





きみが眠る闇に口づけを





まただ、まただ。首元に感じたぬるりとした感触に、私はけして表情を変えてしまうことのないように、ただひたすらと寝顔を演じた。器用に唇に力を込めて吸い上げると、ちゅっと音を立ててそれは離れて行った。彼はそのアトをじっと見詰めると、満足そうに再び布団に潜り込み、私の腕を抱きしめて、眠った。



(いっそ、心中でもしてしまおうか)




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リハビリ ひどい出来

すごく分かりにくいけど、自作自演
愛を確認しないと不安で仕方がない。
南雲くん病んでるね


Title:空想アリア