「ほ、ホントにいいのかよ」
「うん」
「……いくぞ…?」
「手震えてるけど、ずらさないでね」

ただ証明が欲しかったというか、ちょっかいを出される晴矢にいい加減心臓が幾つあっても足りないと言うか。自覚もしているが、キャラじゃないがなかなか私は嫉妬深いようで、何か見せ付けたかったというか…まぁそんな所だった。指輪を買うお金もないし(そんなキャラでもないし)、何か良い物は…と思っていた時に目に入ったテレビに映る芸能人の耳のピアス。ピアス、か…
翌日の晩、ピアッサーを2つ買って晴矢の部屋を訪れた。晴矢に話せばお揃いが嬉しいのかピアスが嬉しいのか顔を輝かせた。が、開けてくれと言えば次第に不安げな表情になっていった。この顔は怖じけづいてるな。そして冒頭に戻る。


「じゃ、次は君に開けてあげるよ」
「痛いか?」
「…怖いのか?」
「怖くねぇよっ!」
「まぁ大丈夫。じんじんするだけだから」

新しいピアッサーを手に取って晴矢の耳に当てる。ごちゃごちゃ言っていた南雲が口を閉じて、ぎゅっと唇を噛んだ。目のやりどころに困って、少し泳がせてから結局目もつむった。

「早くしろよっ…」
「本当にいいの?」
「何で確認すんだよ」
「…痛いよ?」
「さっき痛くないって言ったじゃねぇか…!」
「はは、怖じけづいてるね」
「別にっ…」

まぁ、全然痛くないんだけどね、ついからかいたくなって。
多分晴矢は 相当ビビってる。未知の世界だからなのだろうけれど、そういえば晴矢は血の類が苦手だったと聞いた事があった。一見すっころんで血流れてても駆け回ってそうなのに。
緊張してるなら解せばいい。そう思って何となく キスしてみた(嘘、本当は晴矢の表情にちょっとそそられて欲情してた)。きっと驚いて逃げるだろうなと思って後頭部に手をあてがえば、やっぱり顔を引いた晴矢の頭が手に納まった。それから舌をねじ込めば黙って抵抗をやめた、あ、今開けちゃおう。
かち、ばちん。驚いたのかびくりと身体が跳ねた。晴矢の耳たぶに穴が開いて、ピアスが刺さった。結構簡単に開けれるんだ。銀色のピアスを中心に、耳たぶがぼんやりと赤く染まっていった。

「おまっ、いきなり開けるなバカ!」
「怖くなかったでしょ?」
「そういう問題じゃねぇんだよっ」

ぐい、と私の身体を押して晴矢が離れた。そんなに怒らなくてもいいのに。ピアスを開けた耳たぶを、ゆっくりと触って確認して、開いてる、と呟いた。そりゃあ開けたもの。

「痛かった?」
「…ちょっとだけな。熱い」
「私は治まってきたからすぐ治まるよ」

お揃いだね。今度ピアス買いに行こうか。
そう言えば俯いて小さく「…おう」と言った。嬉しいのが私だけじゃなくて、良かった。





君をあいしてる証






「晴矢、ピアス開けたんだ」
「そういえばガゼル様…じゃなくて、風介 も開けてたわ」
「ははぁん、好きねあの二人も」

(そんなことしなくても、誰も奪えやしないわよ)





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何か某漫画でこんなシーンあったな
ピアスの耳ちゅっちゅベロベロ性感帯ネタ書きたい…
あ、最後のはプロミ女子です