この炎天下の中家から出たくもないのになぜ俺がじりじりと焼け付いたコンクリートを蹴って走っているかというと、全てはガゼルのせいだ。
俺がコーラが飲みたいと言って、ガゼルがアイスが食べたいと言った。俺は暑いから外に出るのが嫌だったけれど、まぁたまにこいつと散歩をするのも悪くない、と思ってガゼルに一緒にコンビニに行くか、と言ったら嫌だ、と一刀両断。ガゼルがこう言う時は(というか夏は)、暑い外に出たくないお前買って来い ってことだ。冗談じゃない俺だって暑い。「バーン、」「行かねぇよ、何で俺がパシられなきゃなんねぇんだ」「君だってコーラ飲みたいんだろ」「お前だってアイス食いてぇんだろうが!」そんなやり取りをして結局何か勝負に持ち込むのはお決まりのパターンだ。それで今日は俺がマリ○カート3回勝負で負けた。いや俺が負けたからパシられても仕方ないんだけど…そもそも俺は最初2人で買いに行こうと思ってたのに、仮にも俺は恋人だぞ、この扱いは何だよ。いつもガゼルは我儘すぎるんだよ!


コンビニの中は冷房が効いててとても快適だった。高校生くらいの眉毛のない店員がだるそうにいらっしゃいませ と言った。俺はコーラを手前から1本取って、アイスコーナーへ向かった。俺も買おうかな、何にしよう…ていうかあいつ何食べるんだ。少し考えて、ああそういえば数日前に爽のクリームソーダ味を食べて「おいしい!バーン、これ最高だ…!」とか感動して騒いでたのを思い出して(のくせに俺には1口もくれなかったけど)、1つ手に取った。俺は、目に入ったガリガリ君の梨味を買うことにした。梨味、美味いかな。



「ただいまー…」
「遅いぞ、アイスが溶けてしまう」
「黙れよもう…」

だらりとソファーに寝転がっているガゼルは顔も向けず腕だけ差し出してアイスを催促した。せめて起き上がれよ、それと期待はしてないけど感謝の言葉もな。ガゼルに買ってきたアイスを渡した、が急かしたくせに受け取らず俺の買い物袋を見るガゼル。何だよ、溶けちまうだろ。

「君は何を買ったんだ?」
「コーラと、アイスだけど」

ガゼルに座るように言い、隣へ腰掛けアイスを開けて食べる。あ、これなかなかうまい、梨の味そのままだ。じっとガゼルがこちらを見ているから、多分食べてみたいんだろう。差し出すと、黙って食べた(一口デカいだろ)。

「どう?」
「…うまい、もっと」
「自分のあるだろうが」





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いちゃいちゃする前に飽きた
ガリガリ君の梨はまあまあ好きだけどやっぱり桃最強