ポアントガール | ナノ



最近ずっと白石君みてるやろ、自分。
綺麗な友人が鋭く笑った朝。ぶわりと熱を帯びる頬は隠しきれない。
朝っぱらからパックジュースのミルクティーを飲んでる日も少なくないのだけど、今日はそうでなくてよかったと心底思った。だって口の中にあったら絶対吹き出していた。


「え?!は、あの、えっいやっ」

「やーっぱりなぁ」

「待って私肯定してない!」


今のシドロモドロ具合は否定とは言えへんやろー?可笑しそうに友人はうっへへと普段なら絶対しない怪しい笑い声を漏らした。誰か!ここに不審者がいます!
もう少しで遅刻しそうな時刻に登校するのは私も友人も一緒だけど、今日は友人の方が早く教室に入っていた。そしておはようの次でいきなりこれだ。
見てるのかな?たしかに、部活してる姿もあの日以降何度か見たし、白石君を見ている時間はそりゃ勿論彼を知らなかったときと比べると何倍にもなってると思うけど、ドキドキもするけれど、でもなぁ、そんななぁ。


「そんなに見てることもないと思うんやけど…」

「いやいや、よう見てるよ。あなたが気付いてないだけよ名前ちゃん」

「ちがうよー、勘違いですー」

「あ、白石君や」

「えっ」


振り返って友人の視線の先を自分の目にも映したのに、そこにキラキラしたミルクティー色は何処にもなかった。そこでなーんだもう行っちゃったのかなんて思考は不自然だと気付いて友人を睨む。さっきよりも更に顔に集中する熱でたぶん私は耳まで赤くなっている。
「白石君や」と言われて、ドキッとした気がした。でも、白石君を見て感じるドキドキってきっと彼が綺麗過ぎるから、すごく整った女優さんや俳優さんを見て緊張感を覚えるのと同じことなのかと思っていた。これってもしかして、ちがうのかも。




信じないけどね

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