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この池袋に好きな人がいる、強くてカッコ良くて背が高くて優しい人がわたしの密かに想う人。自動喧嘩人形という呼び名がある池袋では恐れられている平和島静雄という名前は負けしてるのかもしれないし、きっと驚かれたり止めときなよとか言われるだろうから友達には秘密。そりゃあ、わたしだってあの力が怖くないわけではないし話しかけられる勇気があるわけではない。黙って見つめるだけだなんて中途半端な恋を自ら望んではいないけれどわたしと平和島さんの住む世界はあまりにも違いすぎる。なんで好きになったんだろうとか好きになりたくなかったとは思わないしこれからも思いたくないだなんてただの願い。
 
名前は知らないけれど黒いコートを着た男の人に「イィィイザァァアヤァァアくんよおぉぉお!!」と池袋には来るなと言っただろうとか蚤虫とかなんとか片手でごみ箱を標識を自動販売機を軽々と投げて、今みたいにいつも追いかけているから心底あの人が嫌いなんだろうなと思う。もう一度言うけれどわたしはあの力が怖くないわけではない、ただ残念なことにカッコイイなあとはちょっぴり思っているから恋とは恐ろしい。好きですとか実は貴方を見てましたとは言うつもりもない、遠巻きに見ているだけだなんて切ないけれどもうこの距離でいいの。
 
虎と言う程ではないけれど大きな猫と言うにはいささか可愛すぎるよ。平和島さん好きなんですと心の中で思う度にずきりとして苦しくなるし、染められた金色の髪を見ると平和島さんかもしれないと期待して違う人だとガッカリする。落胆するくらいなら最初から期待しなきゃいい話しだけれどわたしはもしかしたらと思ってしまう。恋は自ら簡単に諦められるものではないし落ちてしまったら自分を納得させるしかない、道端の花みたく静かに見つめるだけ。
 
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あたしは花になるの/平和島静雄
@へそ
>瞑った宇宙さん3周年お祝い:りんりんへ
わたしはおはなししか書けないから3周年のお祝いにシズちゃん書いちゃった〜 紀田くんも書くから待っててね 瞑った宇宙さんも3周年おめでとう!これからもだいすき!お互い頑張りましょう〜
 
 

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